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与謝野氏が執行部を批判、新党構想にも言及

2010年3月8日 22:43
与謝野氏が執行部を批判、新党構想にも言及

 自民党内で執行部への批判が相次ぐ中、麻生政権でナンバー2の座にあった党の重鎮、与謝野元財務相が8日、日本テレビの単独インタビューに応じ、執行部を批判するとともに、新党構想にも言及した。

 与謝野氏はインタビューで、「(民主党の)政治資金の問題は、普通なら内閣が倒れてもおかしくない状況。そういう状況に対して追及も手ぬるいし、それを怠った責任は谷垣総裁をはじめ執行部にあると思う」と苦言を呈した。与謝野氏は、10日に発売される月刊誌「文芸春秋」でも執行部批判を展開している。

 こうした与謝野氏の意見について、先日、谷垣総裁を批判した舛添前厚労相は8日、「与謝野さんがそういう考えを持っているというのは、私も基本的には同じ問題意識で発言し、行動している」と述べた。また、執行部に距離を置く菅元総務相は「(執行部に)危機感が足りないという思いで批判したのでは」と述べた。

 さらに、与謝野氏は「(Q新党まで視野に入れた政治勢力の結集が必要という意味?)そうです。今、世論調査をベースに考えると、国民はもう民主党にも期待しないし、自民党に対する期待率も上がってこない。むしろ、それに代わる清新な、本当に日本のことを考えるグループ、どんなに小さくても本当に志の高いグループを求めている。その国民の期待に応えるのは、政治家としての最後の責任だと思っています」と述べ、新党結成も辞さない覚悟を表明した。

 ただ、連携の可能性もウワサされるみんなの党・渡辺代表は「また、自民党の中のコップの中の争いが出てきたかという感じ。私たちは(与謝野氏のような)財政重視派ではありませんから、政策が違ったら連携のしようがない」と述べ、与謝野氏とは考え方が違うことを強調した。

 党内からの批判が収まらない谷垣総裁は8日、「党内で色々な意見があるのは自民党のいいところではあるが、最後は結束しなければ選挙にならないと思う」と述べた。

 しかし、与謝野氏は「我々は、国民の期待に応えてどう行動すべきかを考えないといけない時期が来たというのが現時点ではないかと」と述べるなど、批判は止まらない。影響力を持つ与謝野氏が谷垣総裁をはじめとする執行部を批判したことで、一気に「谷垣おろし」の動きが加速する可能性もある。