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菅首相はペテン師まがい~鳩山前首相

2011年6月3日 14:51
菅首相はペテン師まがい~鳩山前首相

 菅首相が2日夜の記者会見で、「福島第一原子力発電所の冷温停止が一定のメド」として、辞任の時期は来年1月以降ととれる発言をしたことについて波紋が広がっている。菅首相と確認書を交わした鳩山前首相は「ペテン師まがい」などと怒りをあらわにし、民主党内からは今後も、菅首相の早期退陣を求める声が強まっていきそうだ。

 鳩山氏は3日午前、「内閣不信任決議案が出る直前には辞めると言い、それが否決されたら辞めないと言う。こんなペテン師まがいなことを時の首相がなさってはいけない。当たり前の話です」と話した。

 菅首相は2日、周辺に、鳩山氏に対しては「辞めるなんて言ってない」と話しているという。これに対して、鳩山氏は、菅首相の辞任は1か月後がメドとの認識で、3日朝も「もし約束が守られなければ、首相には辞めていただくよう導いていかなければならない」と強調している。こうした両者の食い違いに、民主党・小沢元代表に近い議員からも「こんな民主党にいてもしようがない。今後のことを仲間と相談したい」との声が上がっている。

 枝野官房長官は、3日午前の会見で「それぞれの認識に残念ながらギャップがあったことは、大変残念なことだ」と述べた上で、菅首相の辞任のタイミングについては「まさに首相の専権事項だ」と述べるにとどまった。

 こうした中、不信任案に賛成する方針でいったんは辞表を提出した小沢元代表に近い鈴木克昌総務副大臣らが3日午前、官邸を訪れ、辞表を撤回した。同じく辞表を提出していた内山晃総務政務官は、2日の採決を棄権し、党の処分がまだ決まっていないことから、3日は官邸には呼ばれていない。

 こうした民主党の混乱に、自民党など野党側はさらに対決姿勢を強めていく考え。自民党・小池百合子総務会長は「死に体政権に対し、それ以上の協力はできない」と話している。3日午後の参議院予算委員会での集中審議から早速、菅首相の早期退陣を迫る方針。

 政局の混乱は一向に収まる気配がない。