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松本復興相辞任、政権への影響は 記者解説

2011年7月5日 13:35
松本復興相辞任、政権への影響は 記者解説

 東日本大震災の被災地の知事への発言をめぐり、反発の声が上がっていた松本復興相は5日朝、発言の責任を取って辞任した。菅内閣への影響と今後の見通しについて、政治部・近野宏明記者が解説する。

 4日は辞めないとしていた松本復興相が一転して辞任に至ったことは、菅首相にとって予想外の事態で、政権は痛烈な打撃を受けている。

 松本復興相の辞任について、枝野官房長官は「大変残念な事態ですし、いろいろな意味で被災者の皆さんには大変なご心配をおかけし、ご迷惑をおかけしている状況だというふうに思っております。今回、首相も私も、辞表を提出されるということは『寝耳に水』でございまして、慰留いたしました」と述べた。

 菅首相も枝野長官も「寝耳に水」だったという今回の辞任だが、菅首相は「慰留したが、本人の決意が固かったので仕方なかった」と閣僚に説明した。6日から国会では予算委員会が開かれるが、後任について、菅首相は民主党議員に対して「5日中に決めたい」と話したという。

 就任間もない目玉閣僚の辞任に、任命責任を問うばかりでなく、菅首相の早期退陣を求める声が、野党だけでなく与党からも上がっている。

 自民党・石原幹事長「甚だ遺憾と言わざるをえません。この閣僚を任命した菅首相の責任、そして菅内閣には一日も早く退陣していただくことが、東日本の被災された地域の復興・復旧に一番資するのではないか」

 鳩山前首相「早く国益のために、すでにメドが立っている状況ですから、次の方にバトンを渡される時ではないかと思います。そのことが国民を救うことになる」

 復旧・復興を掲げて国会を大幅に延長までした菅政権にとっては、目玉閣僚のスピード辞任が大きなダメージとなるのは間違いない。政権はいっそう求心力を低下させることになりそうだ。