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元2世信者「政府、被害を見過ごしてきた」…“救済法案”成立へ

2022年12月10日 2:03
元2世信者「政府、被害を見過ごしてきた」…“救済法案”成立へ

9日夕方、教団の元2世信者、小川さゆりさん(仮名)は、教団の問題で参考人として、国会に呼ばれました。

“統一教会”元2世信者 小川さゆりさん(仮名)
「私は毎日、現役信者や一部の方々から『ウソつき』『偽善者』と言われて、自分の器では到底受け止めきれず、死んだ方がマシなぐらい体調を崩した時もありました」

小川さん(仮名)は、自身の過去の経験についても語りました。

教団元2世信者 小川さゆりさん(仮名)
「高校生から始めた5年間のアルバイト代、約200万円の給与も (両親が)没収し、一度も返ってきませんでした」
「両親は私たちきょうだいに一切相談なく、教会への高額な献金を繰り返してきました」
「“献金の歌”を毎週、歌わされました。『感謝の献金、神の国を建てるため、真心込めてささげます』という歌詞が入っていました。意味も分からず毎週、その歌を歌って、献金箱に100円を入れていました」

10日の参議院・本会議で成立する見通しの「被害者救済法案」について、小川さん(仮名)は8日も、「私たち被害者がいること、忘れないでほしいです。これからも議論を続けていただきたいです」と涙ながらに訴え、“法案にはまだ課題がある”と強調していました。

小川さん(仮名)は9日も、「今回の法案の最大の積み残し課題は、子供の被害が現実的には全く救済できないということです。これだけ被害者を生み出した、被害を見過ごしてきた政府としての責任を果たし、早急の対応をお願いいたします」と“課題”に触れ、“宗教的な児童虐待を防止する法案が必要”と訴えました。

    ◇

国会出席の前には、小川さん(仮名)たちが、教団の解散請求を求める20万人以上の署名を文化庁に提出しました。

その後の会見で、苦しんできた元2世信者たちが強く訴えたのは、“教団の解散”でした。

“統一教会”元2世信者
「宗教法人である“統一教会”がこの30年間行ってきたことは、世界平和とはほど遠い、深刻な金銭的被害、家族崩壊、人生破壊です」

別の“統一教会”元2世信者
「解散を要求するのは、いまだに被害者がいるのに、教団側の誠意ある行動が見えてこないからです」

その“解散命令”につながる可能性がある「質問権の行使」。文化庁が教団に対し、組織運営などに関する報告を求めていた中、回答期限の9日、教団から段ボール8箱分の資料が届きました。

文化庁はさらに、14日にも追加の質問案を宗教法人審議会に諮問する方針です。今後、不法行為に関する情報が集まれば、速やかに裁判所に対し解散命令請求をしたい考えですが、資料の分析や追加質問の回答期限などを踏まえ、年内中の請求は難しいとしています。

(12月9日放送『news zero』より)