野田首相は３日朝、埼玉・朝霞市で建設中の公務員宿舎を視察、「現場を見て腹を固めた」と述べ、建設を凍結する意向を示した。

　朝霞市の公務員宿舎は１３階建て８５０戸の公務員用住宅で、０９年の事業仕分けで「建設凍結」の判定が出た後、財務相時代の野田首相が凍結を解除したため、先月１日に工事が始まっていた。

　政府はこれまで「宿舎の建設費は全体として１５％カットし、他の宿舎を売却するなどして朝霞に集約した」と建設を続ける方針だったが、先の臨時国会で野党側が「（東日本大）震災復興の資金に回すべきだ」などとして建設見直しを求めていた。

　野田首相は「東日本大震災の復旧・復興の予算の財源を確保する中で、色々なご批判もある」と強調した上で、建設を凍結する指示を安住財務相に伝える考えを示した。野党側などの批判を受け、方針転換を余儀なくされた形。