国会開会…野田首相のこだわり
いよいよ24日から通常国会がスタートしました。この国会は衆議院解散の可能性もはらんでいますが、今日の施政方針演説で野田首相がこだわったのはこの言葉でした。
―24日朝、雪化粧となった国会では開会を前に、職員が雪かきを急いでいました。そして、国会の前には和服姿の国会議員がズラリ。そう、和装振興議員連盟の皆様です。国会開会日には毎年和服で登院しています。
そして午後1時。眼帯を外してスッキリした野田首相の施政方針演説が始まりました。こだわったのはこの言葉。
「『決められない政治』からの脱却」
国政の重要課題を先送りしてきた『決められない政治』から脱却するという強い決意をアピール。さらにこんな発言も。
「持続可能な社会保障制度を実現するには、給付に見合った負担が必要です」
実はこれ、3年前に同じ場所で当時の麻生首相が行った演説のフレーズ。野田首相は麻生元首相と福田元首相の演説を引用し、野党に協力を呼びかけました。
演説を、与野党の議員はどう聞いたのか?
渡部恒三議員「俺は佐藤栄作さん以来聞いているけど、きょうぐらい熱のこもった総理の施政演説というのはあまり無い」
みんなの党・渡辺代表「美辞麗句で増税を正当化しようという印象受けた」
ちなみに引用されたご本人は…
麻生元首相「印象としては、まるでわさびがきいてないお寿司。子ども向けのお寿司を無理やり40分かけて食べさせられたっていう感じですかね」
いやはや手厳しいお言葉。引用はお気に召さなかったのでしょうか?
その自民党は22日、自民党大会を開催。党大会後のレセプションでは小泉進次郎議員のまわりに人だかりができていました。岩手県の物販ブースで売り子の手伝いをしていた小泉進次郎議員を見て、お客さんも「うれしー!生で見たの初めて」と大喜び。「小泉先生、商売お上手ですね」と声をかけられ、「いやいや、バイトで客商売やってましたから」と、照れくさそうに返答していました。
さて、その党大会では、谷垣禎一総裁が力強いあいさつをしていました。
「今年こそ、いよいよ政治決戦の年です。衆議院の解散、総選挙に追い込んで、政権を奪還しなければなりません」
そして高らかに自民党の歌を歌う谷垣総裁。
でも、こんな一幕も。
来賓として登壇した経団連の米倉弘昌会長のあいさつでのこと。
「谷垣総裁も先般、TPP交渉参加国であるベトナムを…」
すると会場からはこんな叫声が。
「TPOをふまえなさいよ!」
お願いして来てもらったはずの相手に対してヤジ。さすがにこれは…
小泉進次郎議員も「国会でのヤジはいいモノも悪いモノもあるが、こういう場でのヤジは私は残念」
その自民党は、田中防衛相に狙いを定めています。石原幹事長の「真紀子さんのだんなさんだけじゃ防衛大臣は務まらないですよ」という辛口のコメントからもひしひしと伝わってきます。
23日、田中防衛相は沖縄を訪問しました。その時に行われた仲井真沖縄県知事との会談でのやりとりなのですが…
仲井真知事「大臣は沖縄へは?」
田中防衛相「水族館と、硫黄島に…」
え?硫黄島(いおうじま)?伊江島(いえじま)では?
さらに…
「いわゆるカイヘンシュウイキ…周辺でですね…」
カイヘンシュウイキではなく周辺海域ですよね。
言い間違いが目立つ田中防衛相。最近では、失言を警戒してか手元の資料を読み上げる姿が目立ちます。仲井真知事との会談でも、手にはやはり資料の束。知事を目の前にしてひたすら資料を読み上げます。
しかし、こんな一コマが。19日のグループインタビューで記者から「南西諸島の防衛強化についてなんですが」という質問を受けた田中防衛相。資料を探しますが…なかなか見つかりません。
「え~っと、ちょっと待ってくださいね」
しばらくして、ようやく秘書官から資料が。
「あの~南西地域に多くの島しょを有するという我が国の地理的な…」
もう少しスムーズだと格好いいですよ!田中さん!
そんな中、いよいよ通常国会がスタート。果たして野田政権は『決められない政治』からの脱却は実現できるのでしょうか?