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普天間基地固定化の懸念を追及 記者解説

2012年2月6日 18:49
普天間基地固定化の懸念を追及 記者解説

 6日の参議院予算委委員会で、野党側は、「アメリカ軍普天間基地の固定化」という、政府が描く最悪のシナリオになるのではないかと厳しく追及した。野田首相は、固定化の回避に向け、全力を挙げる考えを強調した。政治部・平本典昭記者が解説。

 自民党・林芳正議員「首相、政府全体として普天間固定化は絶対にさせないと、ここで言明してください」

 野田首相「今、ご指摘のあった普天間の固定化につながるのではないかというご懸念があるということは承知をしていますので、そういうことのないように政府として全力で協議を進めていきたいというふうに思います」

 政府は、表向きは、海兵隊の移転と普天間基地の問題は別で、「固定化されない」方向で協議は「前進」していると強調している。しかし、ある防衛省幹部は「今回はアメリカによるアメリカのための協議だ」と述べている。つまり、日本側が打開策を見いだせない中でアメリカ側が見切りをつけたのではないかと、政府内からも「固定化」に向けて協議が進むことを懸念する声が上がっている。

 一方、基地問題を担当する田中防衛相の答弁に対する批判が止まらない。自民党・山本一太参院政審会長は「田中防衛相は、官僚の腹話術人形だと思う。秘書官がぴったり後ろにくっついていて、ほとんど二人羽織みたいな感じだった。政界の(腹話術師の)いっこく堂みたいな感じ」と追及した。

 田中防衛相は、体調不良を理由に秘書官を交代させ、後任に北沢元防衛相の秘書官を充てた。国会中に秘書官が交代し、前任者が復帰するのは極めて異例。

 アメリカ側との交渉が新しい局面を迎える中で、田中防衛相の資質を問う声は収まらず、基地問題をめぐる混迷は更に深まることになりそうだ。