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国会大荒れに…ヤジで枝野経産相が退場

2012年4月3日 19:38
国会大荒れに…ヤジで枝野経産相が退場

 3日、全国各地で大荒れの天気となりましたが、その前日2日は国会も大きく荒れました。なんと枝野経済産業相が退場するという異例の展開になったのです。その問題の発言を検証しました。

 2日の参院予算委員会。警戒区域の見直しについて、自民党・岩城議員は「なぜこんなに遅れているんですか」と、野田首相に質問したのですが…

 枝野経産相「委員長!」

 岩城議員「総理にお聞きしています!」

 ヤジ「総理に聞いている!総理に聞いているんです!」

 質問に野田首相でなく枝野経産相が答弁したところ委員会は大荒れに。なかには、枝野経産相の前に立って答弁を遮ろうとする議員の姿もありました。そこで石井委員長は「静粛に願います」と注意しますが、枝野経産相が火に油を注ぐ一言を…。

 岩城議員「経産大臣、私は出席要求しておりません。なぜここにいらっしゃるんですか」

 枝野「帰っていいのか!」

 ヤジ「帰っていいよ!」

 自民党・山本一太議員「『帰っていいのか』って何ですか!?ダメです。速記止めてください」

 閣僚席から「帰っていいのか!」とヤジを飛ばした枝野経産相に対し、石井委員長は「(自席から発言したことは)参議院の品位を汚し、そしてその参議院規則51条にも反する行為ではないかと思います」と発言。枝野経産相は退場処分となってしまいました。約3時間半後、枝野経産相は「午前中のさまざまなやりとりについては委員のみなさまにご迷惑かけたことおわびを申し上げます」と、午後の委員会で謝罪しました。しかし、せっかくの国会、建設的な議論をお願いしたいものです。

 一方、消費税増税法案をめぐる民主党内の亀裂は拡大しています。先週金曜日、牧厚労副大臣ら4人が辞表を提出したのに続き、鈴木克昌幹事長代理によると2日までに29人の議員が党役職の辞表を提出したといいます。実は集団での辞表提出というこの手法、過去にも小沢氏に近い議員たちが使ってきました。

 去年2月、小沢元代表への処分に対する党執行部の姿勢に反発し、小沢氏に近い議員16人が民主党会派からの離脱を表明。さらに去年6月には、当時の菅首相への不信任案への対応をめぐり副大臣ら5人がまとまって辞表提出しました。このときに副大臣の辞表を提出した鈴木克昌議員は今回も、幹事長代理の辞表を提出しています。

 しかし、今回の集団辞表、ちょっと気になる点もありました。小沢氏に近い政務三役は約10人。ところが今回辞表を提出したのは4人だけです。また小沢氏に近い別の議員からは「今ここで辞めるときではない」「今回はよしておきます」といった声もあり、小沢氏に近い議員の行動が割れていました。さらに党役職の辞表についても、提出者の多くが若手ということもあり党内への影響は限定的との見方もあります。

 一方、輿石幹事長は先週、消費税増税法案の採決時に党議拘束をかけたうえで造反すれば何らかの処分を下す考えを示しました。

 小沢元代表は29日、「昨今の民主党の運営は、私をはるかに上回る強引、剛腕のやり方でありまして」と、消費税増税法案をめぐる執行部の対応をこう皮肉りましたが、今回、自らは「剛腕」を見せるのでしょうか。