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首相「北朝鮮問題、日中韓で考え方は共有」

2012年5月14日 16:59
首相「北朝鮮問題、日中韓で考え方は共有」

 野田首相が出席して中国・北京で開かれた日本、中国、韓国による首脳会議は、14日に共同宣言を発表したが、焦点の北朝鮮問題をめぐっては宣言に盛り込まれず、3か国の考え方の違いが浮き彫りになった。野田首相は「自制を求める考え方は共有している」と強調した。

 共同宣言は、日中韓3か国の自由貿易協定(=FTA)の交渉を「年内に開始する」と明記した他、幅広い分野で連携強化を盛り込んだが、地域情勢の焦点である北朝鮮情勢については触れられなかった。

 野田首相は、中国・韓国首脳との会談の中で、「北朝鮮について共同宣言では言及しなかったが、さらなる挑発行為をさせないよう自制を求める考え方は共有している」と強調した。藤村官房長官は14日午前、「表現ぶりについて議論を重ねた結果、今回は共同宣言での記述がなくなった」と述べた。

 しかし、3か国は「北朝鮮の核実験を阻止する」という考えでは一致しているが、その方法をめぐって圧力を強めたい日韓と北朝鮮を刺激することを避けたい中国との間に温度差がある。宣言の発表を1日遅らせて、異例の調整を続けたが溝を解消できなかったとみられる。