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G8サミット 成長と財政再建、双方が必要

2012年5月20日 12:06

 アメリカ・ワシントン郊外で開かれていたG8サミット(主要国首脳会議)は日本時間20日朝、経済成長と財政再建の双方の必要性をうたった首脳宣言を採択し、閉幕した。

 緊縮財政路線の見直しを掲げて当選したばかりのフランス・オランド大統領も出席して開かれた今回のサミットは、まず経済成長の重要性を強調するものとなった。

 採択された首脳宣言では、冒頭、「経済成長と雇用の促進は必要不可欠だ」とうたっている。その上で、経済回復を下支えする形の財政健全化策の必要性に触れている。G8首脳が、財政再建一辺倒の政策に否定的な考えを共有した形。

 また、ヨーロッパ債務危機の震源地であるギリシャについては、ユーロ圏に残るべきとの認識で一致した。しかし、会議の中では「ギリシャをユーロ圏に残すためとはいっても、財政支援のただ乗りは許すわけにはいかない」との厳しい意見も出され、混乱が続くギリシャへの複雑な感情もあらわになった。

 こうした中、野田首相は経済成長に向けた努力を続けるとともに消費税増税法案の成立に強い意欲を示し、財政再建に向けた日本の姿勢をアピールした。

 債務危機を回避するための財政健全化と経済成長をどうバランスよく進めるのか。日本のみならず、G8各国の知恵が試されている。