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北方領土問題進展へ 日露首脳が共同声明

2013年4月30日 0:19

 ロシアを訪問している安倍首相は29日、ロシア・プーチン大統領との首脳会談に臨んだ。交渉が停滞している北方領土問題で進展があるかどうかが最大の焦点だった会談の終了後、10年ぶりとなる共同声明が発表された。

 共同声明では、「両首脳の議論」のために「双方に受け入れ可能な解決策を作成する交渉を加速化させる」と明記された。両首脳が先頭に立って領土問題を進展させていこうとする意欲の表れだが、日本政府では、実際の交渉は「厳しいものになる」との見方が大勢だ。

 一方で、プーチン大統領にとっては、東シベリア開発への投資や天然ガスなどのエネルギー分野で、日本の協力は欠かせない状況であり、日本政府には「協力の見返りに、領土問題で歩み寄りを引き出せる」という期待感があることも確かだ。

 両国は今回、安全保障分野でも、外務防衛閣僚級協議の開催で合意するなど連携を深めている。あらゆる分野で協力関係を強化せざるを得ない状況を生かしながら、安倍首相がいかに解決策を見いだしていくか、外交手腕が問われることになる。