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飯島参与が訪朝、拉致問題進展につながるか

2013年5月15日 1:35

 小泉元首相の北朝鮮訪問で一定の役割を果たしたとされる飯島勲内閣官房参与が14日、北朝鮮の首都・平壌を訪問していたことがわかった。今回の訪朝は、果たして北朝鮮との関係改善につながるのだろうか。

 14日に平壌の空港に到着した飛行機。タラップを下りた飯島参与を出迎えたのは、北朝鮮外務省の金哲虎アジア副局長だった。

 訪問の目的は明らかになっていないが、朝鮮総連の幹部によると、飯島参与は北朝鮮の宋日昊日朝交渉担当大使と面会し、日本人拉致問題の再調査について話し合うという。

 2002年9月17日、北朝鮮を訪問した小泉元首相。飯島氏はこの歴史的瞬間に首相秘書官として同行していた。この訪朝で、北朝鮮は日本人を拉致した事実を認め、同年10月、5人の拉致被害者が帰国した。そして、小泉元首相2度目の訪朝となった2004年。飯島参与はこの時も小泉元首相に同行。故金正日総書記と握手を交わしていた。この訪朝で、すでに帰国していた拉致被害者の家族が帰国した。

 飯島氏は北朝鮮と独自のルートを持ち、水面下の交渉を続けてきたとされている。

 拉致被害者・横田めぐみさんの帰国を待つ両親が14日夜に会見し、母・早紀江さんは「小泉さんと一緒にいらした方ですから、拉致の時に。少しでも動くのかなって、期待感はありますけどね」と話した。また、父・滋さんは「何の意味もなく訪朝したということはありえないと思うので、やっぱり期待できると思います」と話している。

 飯島氏の行動が拉致問題の事態打開につながるのではと期待感が出る一方、アメリカ・韓国と連携しながら北朝鮮問題に対応している中で政府内からは足並みの乱れを懸念する声も出ている。

 政府関係者「目的がわからない」

 与党幹部「アメリカ・韓国の意向とうまく調整できていないとまずい」

 今回の訪朝について、外交問題に詳しい宮家邦彦氏は「中国、それから韓国、アメリカとの関係が悪い。だからこそ日本を動かそうという、ある意味いつもの手でもあるわけですから、慎重にまだ様子を見ていく必要がある」と話している。