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首相、中南米の外交日程終了「成果と課題」

2014年8月3日 7:20
首相、中南米の外交日程終了「成果と課題」

 中南米を歴訪中の安倍首相は日本時間2日夜、最後の訪問国ブラジルで会見を行うなど全ての外交日程を終えた。今回の歴訪の成果と課題について、古谷朋大記者が現地から報告する。

 「日本と中南米との戦略的なパートナーシップの新たな夜明けとなった」-安倍首相が中南米5か国を訪問した第1の目的は、将来性ある市場を取り込むことだった。この地域は豊富な地下資源と約6億人の人口を抱え、安定的な経済成長が見込まれている。

 各国との首脳会談では、石油や天然ガスの開発で技術協力を強化することや日本企業の投資環境、整備を確認するなど一定の成果を上げた。

 一方で常に意識されていたのは、やはり「中国」の存在だった。安倍首相は全ての首脳会談で、強引な海洋進出を繰り返す中国を念頭に海洋における「法の支配」の重要性を訴え、国際社会での「味方づくり」にも力を入れた。ただ、その中国も、習近平国家主席が7月にブラジルを訪問したばかりで、この地域を巡り両国の駆け引きが激しくなっている。

 今後、中南米諸国とのさらなる関係強化に向け、安倍首相周辺は「日本の熱意をアピールし続けることが大事だ」と指摘している。長期的な視点から丁寧に関係を構築していく姿勢が求められている。