安倍首相も出席したＡＳＥＭ（＝アジア・ヨーロッパ首脳会議）は１７日、海の安全保障の重要性などを盛り込んだ議長声明をまとめ、閉会した。また、安倍首相は日中首脳会談の実現に向けた環境整備も行った。

　議長声明では、エボラ出血熱の流行に懸念を表明し、制圧への行動を呼びかけた。また、人権問題に触れる中で北朝鮮による拉致問題も明記された。安倍首相の強い意向が反映されたもので、議長声明に盛り込まれるのは今回が初めて。さらに中国の海洋進出などを念頭に、海の安全保障や国際法に基づく紛争の平和的解決の重要性も初めて指摘された。

　中国包囲網とも取れる表現だが、その一方で今回の滞在中、安倍首相が中国の李克強首相と笑顔で握手する場面もあった。「ご機嫌いかがですか」などと挨拶を交わしたという。

　安倍首相は来月、北京での国際会議に合わせ、日中首脳会談の実現を目指している。今回のやり取りをそれに結びつけることが出来るのか。政権発足から間もなく２年、具体的な成果が問われる。