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政府調査団 拉致調査担当者から説明受ける

2014年10月29日 0:13

 拉致被害者などの全面調査を巡る日本の政府代表団と北朝鮮の特別調査委員会の協議が28日、北朝鮮の平壌で行われ、日本側は拉致被害者に関する調査の担当者らから直接、調査の現状について説明を受けた。現地から有田和生記者が報告する。

 今回の協議に参加した北朝鮮側の出席者8人の中には特別調査委員会の徐大河委員長の姿があった。北朝鮮の秘密警察にあたる国家安全保衛部に所属する徐大河委員長らがカメラの前に現れるのは異例のこと。初日の協議では、拉致被害者や行方不明者の調査の責任者から直接説明を受けたという。

 「日本側から拉致問題が最重要課題であることを徐大河委員長をはじめとする責任者に対して直接強調するとともに、調査を迅速に行い、結果を一刻も早く通報することを強く求めました」-伊原アジア大洋州局長はこのように述べた一方、協議の詳細については「まず帰国して安倍首相に報告したい」と述べるにとどまった。

 二日目の協議では午前中、日本人妻や遺骨の担当者から説明を受けたあと、午後には拉致問題について改めて説明を受けるという。

 徐大河委員長が出席するなどかたちの上では異例の対応をみせた北朝鮮。しかし、拉致問題について日本側を納得させる説明がなされるのかは依然不透明な状況となっている。