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“与党圧勝”何が見えた? 政治部長が解説

2014年12月15日 18:54
“与党圧勝”何が見えた? 政治部長が解説

 14日に行われた衆院選は、自民・公明の与党が計326議席を獲得し、圧勝した。あらためて結果をふり返り、政治部・伊佐治健部長が解説する。

 ■与野党の勢力どうなった?

 公示前の勢力は、自民党(293)と公明党(31)で324議席。2年前の総選挙で、民主党など野党勢力は激減していた。今回どうなったかというと、選挙後は自民党(291)と公明党(35)326議席でほとんど変わらなかった。前回と同じ与党圧勝を収め、ほとんど勢力自体にも変化はなかったことになる。

 ■“与党圧勝”何が見えた?

 数は増えなくても、2年を経てあらためて国民の信任を得たことで安倍政権の基盤が強化されたことは確か。アベノミクスへの国民の支持は確かだったと受け止め、デフレ脱却に力を入れる。選挙期間中も争点となった、中小企業が苦しむ円安への対策なども焦点。

 選挙前には政治とカネの問題で苦しんだが、江渡防衛相や西川農水相ら今回、疑惑が取りざたされるもあえて再任させて、現体制のまま第3次内閣を発足させるあたりにも安倍首相の自信があらわれている。

 ■今後の政治日程ポイント

 安倍首相は、選挙に勝った勢いでスピーディーに経済政策を進めようとしている。経済対策を盛り込んだ3兆円規模の補正予算案を年明け早々に閣議決定し、成立を目指す。その中身は、地域商品券の発行や臨時交付金が検討されている。

 また、来年春、サラリーマンの賃金がどのくらい上がるかがアベノミクス成功の鍵となる。そのために経済界と労働界との政労使会議も16日に早速行って、給与引き上げの実現を政治力でリードしたい考え。来年は、春以降に集団的自衛権をめぐる国会審議や自民党総裁選が控えるが、経済政策は引き続き政権の最重要課題となる。

 ■野党 今後の焦点は?

 2大政党制が定着するかにみえた日本の政治だが、自民党から民主党、民主党から自民党への激しい権力闘争を経て、今は安倍一強体制になっている。そんな中で、今回の結果は首相1人が持つ解散権に翻弄(ほんろう)された形。野党はアベノミクスを批判するだけでなく、独自の政策と魅力的なリーダーが求められている。