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「地球儀を俯瞰する外交」今年の展開は?

2015年1月1日 11:37
「地球儀を俯瞰する外交」今年の展開は?

 衆議院選挙で圧勝し政権基盤を改めて固めた安倍首相。戦後70年という節目の年にあたる今年、どのような外交を展開するのだろうか。政治部・竹内真記者が報告する。

 安倍首相は2回目の首相就任以来、「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を掲げ、50か国を訪れた。50か国目となる訪問国は中国。自身の靖国神社参拝などもあって途絶えていた日中首脳会談を約2年半ぶりに行った。

 そして、韓国とは今年が国交正常化50年。韓国の朴槿恵大統領とは正式な2国間の首脳会談は行えていないが、非公式な意見交換などは重ねてきた。安倍首相は、まずは日中韓3か国での首脳会談の実現を目指しつつ、朴大統領との1対1の首脳会談も実現するべく調整を続ける方針。
 
 日中、日韓関係が改善に向けて動き出す中で今年、戦後70年の節目を迎える。安倍首相は「談話」を出すことにしているが、戦後70年間、日本が平和国家として歩んできたことを強調し、未来志向のメッセージを発出することで日中、日韓関係をさらに改善させていきたい考え。

 中韓両国との間で歴史認識や領土で対立する中で重要なのは、やはりアメリカとの関係だ。安倍首相は集団的自衛権の行使を可能にするための安全保障法制の整備と日米防衛協力の指針=ガイドラインの見直しを着実に進め、アメリカとの同盟関係を一層、強化したい考え。今年、アメリカを訪問してオバマ大統領との首脳会談を行うことも検討している。

 また、去年から始まった北朝鮮による拉致被害者らの全面調査で誠意ある調査結果を引き出せるかも外交上の大きな課題だ。

 さらに安倍首相がこだわるのが、北方領土問題の解決を意識したロシア外交だ。まずは今年のプーチン大統領の日本訪問を実現するため、外相会談や次官級協議などが行われることになる。

 外交課題が山積する中、戦後70年を迎えた安倍首相。選挙を通じ国内の基盤が強まっただけに、外交でも成果を出すことが期待される。