沖縄返還の密約証言 吉野文六さん死去
1972年の沖縄返還を巡る日米両政府の間の密約を政府関係者として初めて証言した外務省の元アメリカ局長・吉野文六さんが29日、横浜市の自宅で亡くなった。96歳だった。
吉野さんは1941年に外務省に入省後、駐米公使などを歴任し、1971年から1972年まで外務省のアメリカ局長として沖縄返還交渉に携わった。
沖縄返還を巡ってアメリカ軍基地の撤去費用を日本政府が肩代わりするなどの密約があった、とされる問題ではジャーナリストらが当時の外交文書を公開するよう政府に求めた裁判に出廷し「文書には自分がサインした」と密約があったことを証言した。
葬儀・告別式は近親者のみで執り行うという。