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ナゼ“防衛予算”優先で“子ども予算”後まわし? “子ども税”創設も?

2022年12月24日 8:00
ナゼ“防衛予算”優先で“子ども予算”後まわし? “子ども税”創設も?

岸田政権は114兆円を超える“過去最大”となる来年度予算案を閣議決定した。社会保障費や防衛費が増加した一方、“後まわし”とも指摘されるのが「子ども予算」の拡充だ。財源確保の道筋が示されない中、政府内から“子ども税”創設が必要との声も…。

■“過去最大”予算案が閣議決定…「こどもまんなか政策」は?


岸田政権は過去最大となる約114兆3800億円の来年度予算案を閣議決定した。今年の特徴は社会保障費や防衛費の増加で、“最優先”された防衛費は約6兆8000億円に膨らんだ。岸田首相は「国民の命、暮らしを守るために、防衛力を抜本的に強化していく」と必要性を強調している。

一方、岸田首相が掲げる『こどもまんなか政策』はどうなったのか。岸田首相は「子ども予算を倍増する」と宣言した中、防衛費の確保が最優先となり、子ども政策の財源は来年の宿題となった。ある政府関係者は、「防衛力強化と財源確保に政治的パワーを使った分、子ども予算は置き去りになった」と解説する。

■子ども予算“後まわし”に…「政治に期待しない」


防衛費“優先”で、子ども予算“後まわし”という指摘がある中、今回の予算案を、実際に子育てをしている女性たちはどう感じたのかを聞いてみた。

「防衛も大事だけど、毎日の生活を支えてくれないと、そんなこと考えられない」(3歳児を育てる30代女性)

「正直、政治に期待してない。本気で少子化どうにかしようと思ってないだろ、と言いたい」(2歳児を育てる30代女性)

「少子化対策に力をいれている“感”はあるけど、防衛費ばかりやっているように見えて実態が見えない」(3歳児を育てる40代女性)

悪化する安全保障環境への対応のため、防衛予算の増額自体には理解を示す一方で、岸田政権が「まんなか政策」と位置づける「こども政策」への本気度が見えないという声も聞こえた。

■子育て世代の“理想” 財源は来年夏に“先送り”


“後まわし”という批判もあるが、岸田政権は今月「こどもまんなか政策」を実現するための具体案を、岸田首相自らが本部長を務める「全世代型社会保障構築会議」で打ち出した。子育てや出産に関する報告書を発表、「少子化の流れを変えられなければ、国の存続に関わる」として決めたのは…

(1)育児休業給付を今は対象外の「自営業」や「フリーランス」にも現金支給

(2)育児で時短勤務を選んだ人に対する新たな給付制度の創設

(3)出産育児一時金の増額や児童手当の拡充

“子育て世代”からの不満に応える形で、今の課題を解決するための「具体案」を打ち出した。しかし、裏付けとなる財源論は来年夏に決まる「骨太の方針」に先送りされ、不透明という課題も残った。

ある政府関係者は、「防衛予算など優先課題を先に取り組んだために仕方がなかった」という声があがる一方、別の政府関係者からは、「来年の骨太に盛り込むなんて言うこと自体が先送りそのもの」「予算は社会福祉や子育てや教育全体の中での配分で決めるもの」との声もあがった。

■「こどもまんなか政策」どう実現? “こども税”のアイデアも


「こどもまんなか政策」を現実味があるものにするため、政府はどう財源を確保しようとしているのか。全世代型社会保障構築会議の幹部に本音を聞いてみた。

「今の政策を全部実現するとなると、数兆円は必要になるだろう」「恒久的な財源が必要。消費税もあるし、例えば“子ども税”と新しい名前をつける税という提案もある。それをどうやるかは岸田首相にしっかり決めてもらわないといけない」(全世代型社会保障構築会議の幹部)

この幹部は、財源には「恒久財源」が必要で、1つのアイデアとして“子ども税”といった新たな名称の税について言及した。

岸田首相が掲げる「防衛」「原発」「子育て」という3つの目玉政策。「防衛」「原発」では、“歴史的転換”となる決断が行われたが、「子育て」政策の具体的な道筋を来年きちんと描けるのか、岸田政権の本気度が試される。