安全保障関連法案をめぐり「法的安定性は関係ない」などと発言した礒崎首相補佐官が、法案を審議している参議院の特別委員会に参考人として出席し、自らの発言を取り消した上で陳謝した。

　礒崎氏「もとより私は平和安全法制（安保関連法案）において法的安定性が重要であることを認識しております。私のこの発言を取り消すとともに、関係者の皆様に心よりおわび申し上げます」

　これに対し、野党を代表して質問に立った民主党の福山幹事長代理は、礒崎氏は辞任すべきだと迫った。

　福山氏「責任は極めて重い。辞任に値すると私は考えます。あなたは自らの判断で職を辞するべきです」

　礒崎氏「首相補佐官の職務に専念することによって責任を果たしていきたいと思います」

　礒崎氏はこのように述べ、現時点で辞任する考えはないことを明らかにした。また、「『法的安定性とともに国際情勢の変化についても十分配慮すべきだ』と言うべきところを誤って“関係ない”と言った」と釈明した。

　これに対し、民主党の枝野幹事長は、礒崎氏を更迭しない安倍首相は「問題意識があまりに希薄だ」と厳しく批判した。

　枝野氏「安倍首相の責任を厳しく追及していかなければならないと思う」

　政府・与党は３日の参考人招致で幕引きを図りたい考えだが、野党側は引き続き追及していく方針。