安全保障関連法案を審議する参議院の特別委員会で、中谷防衛相は、法案により可能になる他国の軍隊への後方支援として、核兵器を輸送することは「法文上は排除はしていないが、我が国には非核三原則があるのでありえない」と述べた。

　民主党・白参議院議員「この安保法制によって、これからは日本の自衛隊が核兵器を運ぶことが可能になるかどうか」

　中谷防衛相「法文上は排除はしておりませんが、ただし、そういうことはまったく想定もしていないし、非核三原則があるのでありえないということです」

　白議員「私は法文上、全てのこの世にある兵器・弾薬は、この法律で運べるわけですね？と聞いている」

　中谷防衛相「法律上は特定の物品の輸送を排除する規定はありません。国是として非核三原則兵器がありますし、生物化学兵器を保有しないという条約を結んでいるので、それはありえないし、そういう場合においては拒否をすると」

　中谷防衛相はこのように述べ、他国の軍隊への後方支援として、核兵器や生物化学兵器を輸送することは法案で排除はされていないと説明した上で、実際に行うことはありえないとの認識を示した。

　また、核兵器を搭載したアメリカ軍の空母や原子力潜水艦を自衛隊が護衛することについても、中谷防衛相は「法理上は実施可能だが、アメリカ政府が護衛を要請してくることは想定されず、我が国が非核三原則を保持している立場からも護衛することは考えられない」などと述べた。