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大規模な観艦式“安全保障上の狙い”とは?

2015年10月24日 20:43
大規模な観艦式“安全保障上の狙い”とは?

 先週末、3年ぶりに行われた海上自衛隊の観艦式。大規模な式典からは安倍首相による安全保障政策上の「ある狙い」が見えてきた。

 先週、神奈川県横須賀沖の海では、海上自衛隊の艦船が列をなして航行していた。そこに現れた一機のヘリコプター。護衛艦「くらま」に着艦する。降りてきたのは安倍首相。この日は3年に一度行われる観艦式の日で、自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣に最新の艦船や航空機が披露される。

 今回の観艦式には全長248メートルの最新型護衛艦「いずも」など42隻の艦船が参加。さらに、初参加となったアメリカ軍のMV-22オスプレイを含む39機の航空機も登場した。

 安全保障関連法が成立した後、初めて行われた今回の観艦式。安倍首相は改めて、自ら主張する積極的な平和外交の意義を強調した。

 安倍首相「もはやどの国も、一国のみでは対応できない時代です。そうした時代にあっても、国民の命と平和な暮らしは断固として守り抜く。積極的な平和外交も今後、一層強化してまいります」

 観艦式を終え、安倍首相が次に向かったのは、アメリカ海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」。現職の首相として初めてのアメリカの空母の視察は、安倍首相自身の希望で実現したという。格納庫では戦闘機「スーパーホーネット」に乗り込んだ。軍事的なイメージが強調されるリスクを冒してでも、こうしたパフォーマンスを見せた背景には、日米同盟が強化され、抑止力が向上したことをアピールする狙いがあるとみられる。

 政府内からは軍事面での日米協力の強化に期待が高まっている。

 外務省幹部「安全保障関連法ができたのは、やはり大きい。何よりも、アメリカと共同作戦について深く話し合えるようになった」

 一方で、日米同盟を強化することへのリスクを指摘する専門家もいる。

 国際紛争・国際政治の専門家・加藤朗桜美林大学教授「日本側が軍事力を高めていこうということになれば、相手側がそれに対抗しようとすれば、軍事力を相手側も高めていくという、いわゆる安全保障のジレンマ、負のスパイラルに陥る可能性は十分にあると思います」

 大きく変化した日本の安全保障政策。安全保障関連法は来年3月にも施行される見通し。