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安倍首相、鉄道計画の中国受注に「失望」

2015年11月22日 14:27

 マレーシアを訪問中の安倍首相は、インドネシアのジョコ大統領と首脳会談を行った。インドネシアでの高速鉄道計画を中国が異例の提案で受注したことについて、安倍首相は「失望している」と伝えた。

 インドネシアの高速鉄道計画をめぐっては、日本と中国が受注を競った結果、中国がインドネシア側の財政負担や債務保証がなくとも実施できる計画を提案し、今年9月に受注した。

 会談で安倍首相は、ジョコ大統領に対し、「日本は実現可能な最良の提案を行ったが、率直に言って、結果には失望している」と直接、懸念を伝えた。そのうえで、「信頼関係や手続きの透明性、実現可能性、官民の適切なリスク分担が必要だ」として、今後のインフラ協力に向けた日本の姿勢を伝えた。

 また、中国が強引な進出を行う南シナ海問題について、安倍首相が「現状を変更し、緊張を高める一方的な行動は国際社会の共通の懸念事項だ」「ASEAN(=東南アジア諸国連合)の中核であるインドネシアの積極的関与を期待したい」と述べたのに対し、ジョコ大統領は「インドネシアは海洋法を強く尊重する立場だ」などと応じた。