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消費増税は? W選挙は? 政治部長が解説

2016年5月30日 2:17
消費増税は? W選挙は? 政治部長が解説

 安倍首相は28日夜、首相公邸で麻生財務相らと会談し、消費税の増税を2019年10月まで再び延期する意向を伝えた。しかし、麻生財務相らは反対。

 消費増税、そして衆参ダブル選挙について、日本テレビ政治部の伊佐治健部長が解説する。

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 サミットが終わって早速動きがあった。28日夜、首相公邸にいつの間にか、安倍首相、菅官房長官、麻生財務相、谷垣幹事長の4人が集まっていた。この中で安倍首相は、消費増税を2019年10月までさらに2年半再延期することを提案した。菅官房長官は同じ立場で、再延期に賛成だが、麻生財務相と谷垣幹事長がそろって再延期に反対を表明した。

 さらに麻生財務相は、「再延期するのなら衆議院を解散するべきだ」と、いわゆるダブル選挙を主張した。前回の総選挙で来年4月までの増税延期を掲げた公約を変えるなら、改めて信を問うべきだというのだ。

 29日も講演で、次のように話した。

 麻生財務相「少なくとも一昨年、信を問うていますから、もう一回選挙しないと筋が通らないのではないかというのが、私や谷垣さんの言い分であります」

 これに対し菅官房長官は反対した。すでに衆議院では与党の議席は3分の2を超えているのに、わざわざ減らすリスクをとるのはばかげているという意見だ。これは、公明党の反対も代弁している。

 安倍首相自身はどう考えているのか、その胸の内は分からない。最近も、ダブル選挙に前向きな姿勢をにじませたこともある。

 安倍政権は、かつての民主党を反面教師に、政府・与党内の内輪もめは極力表に出さないで政権運営を進めてきた。しかし、ここにきて対立が表面化してきた。

 いまの与党内の状況では、ダブル選挙は困難な情勢にはなっているが、安倍首相自身は、まだ可能性を排除していない。そのため、先週、安倍首相の出身派閥の総会で、カツ重が出されたのは、「ダブルのサインではないか」と疑心暗鬼も広がっている。

 来月1日の国会会期末に向けて、安倍首相の最終決断を与野党が息をのんで見守っている。