生前退位、政府“放置”に反発も 部長解説
天皇陛下が国民に向けて「生前退位」のご意向をにじませてから約2か月。実は、去年4月に陛下のビデオメッセージがすでに検討されていた事が分かり、自民党内には政府が問題を放置してきたという批判がくすぶり始めている。日本テレビ報道局・伊佐治健政治部長が解説する。
■「特例法」にとどめたい政府の立場
――今後、どう議論は進むのだろうか。
以下の3つの道が考えられる。
(1)皇室典範改正(恒久的制度)
(2)特例法(一代限り)
(3)「生前退位」認めず「摂政」等で解決
政府の本音は、様々な論点を国民の前に明らかにすることで、天皇陛下が望まれる恒久的な制度改正の難しさを国民に理解してもらい、世論を少し落ち着かせたい狙いもありそうだ。
政府も注目するデータがある。NNNの世論調査で、生前退位を認める声が約94%に達した一方、摂政でも対応できると答えた人が、約54%に達した。摂政を認めるなら、生前退位は否定されるため、本来は矛盾する。
このため政府は、まだ国民の理解が追いついてないと考え、時間をかけて議論を進めた上で当面、(2)の今の天皇陛下一代限りの特例法にとどめたい立場だ。
■「問題を放置してきた」との批判も
――しかし天皇陛下は(1)の恒久的な制度改正を望んでいるのでは。
そうです。このため、ある自民党のベテラン議員は「官邸はこの問題を甘く見ている。天皇陛下のお言葉をなかったものにしようとしているのではないか」と批判している。すでに、去年4月に天皇陛下のビデオメッセージが検討されていた事が分かり、自民党内には政府が問題を放置してきたという批判がくすぶり始めている。
手がつけにくかった事情としては、安倍政権を精神的に支えるいわゆる保守派の専門家の間で、生前退位の議論がこじれることも予想されたからとみられる。
■リミットは2018年か
――今後のタイムスケジュールはどうなるか。
政府は「有識者会議」で年内にも論点を整理し、来年の通常国会で与野党の議論に入りたい考えだ。法整備は、天皇陛下ご自身も口にされる平成30年(2018年)がひとつのリミットとも考えられる。
「生前退位の問題を軽く扱った」などと見られたりすれば、安倍内閣への支持にも大きく影響しかねないとして、政府としても難しい問題に直面している。
■「特例法」にとどめたい政府の立場
――今後、どう議論は進むのだろうか。
以下の3つの道が考えられる。
(1)皇室典範改正(恒久的制度)
(2)特例法(一代限り)
(3)「生前退位」認めず「摂政」等で解決
政府の本音は、様々な論点を国民の前に明らかにすることで、天皇陛下が望まれる恒久的な制度改正の難しさを国民に理解してもらい、世論を少し落ち着かせたい狙いもありそうだ。
政府も注目するデータがある。NNNの世論調査で、生前退位を認める声が約94%に達した一方、摂政でも対応できると答えた人が、約54%に達した。摂政を認めるなら、生前退位は否定されるため、本来は矛盾する。
このため政府は、まだ国民の理解が追いついてないと考え、時間をかけて議論を進めた上で当面、(2)の今の天皇陛下一代限りの特例法にとどめたい立場だ。
■「問題を放置してきた」との批判も
――しかし天皇陛下は(1)の恒久的な制度改正を望んでいるのでは。
そうです。このため、ある自民党のベテラン議員は「官邸はこの問題を甘く見ている。天皇陛下のお言葉をなかったものにしようとしているのではないか」と批判している。すでに、去年4月に天皇陛下のビデオメッセージが検討されていた事が分かり、自民党内には政府が問題を放置してきたという批判がくすぶり始めている。
手がつけにくかった事情としては、安倍政権を精神的に支えるいわゆる保守派の専門家の間で、生前退位の議論がこじれることも予想されたからとみられる。
■リミットは2018年か
――今後のタイムスケジュールはどうなるか。
政府は「有識者会議」で年内にも論点を整理し、来年の通常国会で与野党の議論に入りたい考えだ。法整備は、天皇陛下ご自身も口にされる平成30年(2018年)がひとつのリミットとも考えられる。
「生前退位の問題を軽く扱った」などと見られたりすれば、安倍内閣への支持にも大きく影響しかねないとして、政府としても難しい問題に直面している。