安倍首相は１０日朝、トランプ氏と電話で会談し、１７日にアメリカ・ニューヨークで会談できるよう調整することで合意した。

　日本政府は、トランプ新大統領にいち早く接触して日米同盟の重要性を認識させる必要があるとして、異例のスピードで会談の調整に入った。政府関係者によると、日本政府はトランプ氏の勝利宣言の前から数多くの時間枠を提示して電話会談を打診していた。これに対してトランプ氏も２番目に早い枠を選び、１０日未明に電話会談が決まった。

　安倍首相が冒頭、大統領選での勝利に祝意を伝え「アメリカがより一層、偉大な国になることを確信する」と述べると、トランプ氏は「日米関係は卓越したパートナーシップであり、関係をさらに強化していきたい」と応じた。

　その上で両者は、「できるだけ早く会いたい」との認識で一致し、現地時間の１７日にニューヨークで会談できるよう調整することで合意した。しかし、トランプ氏が強く反対しているＴＰＰ（＝環太平洋経済連携協定）の問題については話題にしなかったという。

　その一方、国会ではＴＰＰ承認案をめぐる与野党の攻防が続いている。承認案は１０日の衆議院本会議で採決されるが、反発する民進党など野党４党は山本農水相に対する不信任案を提出するなどして対抗していく方針。承認案は与党側の賛成多数で可決される見通し。