×

首相の狙いは?他派閥“尻拭い”に恨み節も

2017年8月2日 17:46
首相の狙いは?他派閥“尻拭い”に恨み節も

 内閣改造を3日に控え、安倍首相は焦点となっていた文部科学相に林芳正元農水相を起用する方針を固めた。これまでの顔ぶれを見てどのようなことが言えるのか、政治部・青山和弘記者が解説する。

 安倍首相は今回の改造を前に周辺に対して「防衛相と文科相が特に重要だ」と語っていた。その2つのポストを、ともに温厚でかつ経験豊富な小野寺元防衛相と林元農水相に任せるという判断をした。派手さはないけれども組織を掌握して立て直し、落ち着いた答弁で野党の攻撃をかわしていこうという考え。改造を機に早く問題に幕引きしたいという思惑。

 また、これまでの稲田前防衛相と松野文科相が安倍首相の身内、細田派だったのに対して、小野寺氏と林氏は安倍首相と政策面で距離がある岸田派の所属。岸田派幹部からは「尻ぬぐいは他派閥に背負わせるのか」といった恨み節も出ている。

 安倍首相は、ここまでは安定感を重視した人選を進めていて、党内から起用を求める声がある石破前地方創生担当相は前回入閣を断られた感情的なしこりから、小泉進次郎議員はまだ経験が浅いなどとして入閣させない見通し。

 今後は、野田聖子議員をどのポストに抜てきするのかなど残りのポストで国民の期待感につなげられるかが焦点。