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日露首脳会談開始 プーチン氏は先制パンチ

2017年9月7日 17:20

 ロシアのウラジオストクを訪問している安倍首相は、プーチン大統領との会談に臨んでいる。北朝鮮に対し国連安保理で強力な制裁を決議するための協力を呼びかける狙いだったが、プーチン大統領は否定的な考えを示した。現地から佐藤正樹記者が報告。

■会談に臨むプーチン大統領は

 北朝鮮の核や弾道ミサイルを放棄させると訴えてきた安倍首相だが、会談を前にプーチン大統領から強烈な先制パンチを浴びせられた形となった。

 プーチン大統領「感情にまかせて、北朝鮮を追い詰めるべきではない」

 会談の直前に行われたフォーラムの場では、プーチン大統領は安倍首相らを前に、ガス供給や鉄道網の整備などの具体例を挙げながら、北朝鮮への経済協力の準備があると主張した。さらに6日は、韓国に対しても同様の提案をしている。

 日本やアメリカが、石油の輸出禁止など強力な経済制裁を目指す中、逆に経済協力を提案することで、日米韓の連携に新たな揺さぶりをかける狙いもあるとみられる。

■北方領土問題については、進展は?

 解決に向けての交渉はまだ入り口の入り口で、4島の返還に向けた具体的な道筋は見えていない。ただ、今回は共同経済活動について、海産物の養殖など5つの項目に絞り込み、近く現地調査を行うことで合意する見通し。

 日本政府は、この活動を領土問題解決への足がかりと位置づけているが、去年の5月に安倍首相が「新しいアプローチ」での領土交渉を提唱してから1年4か月たった今も、具体的な事業も決まっていない。交渉の難しさが浮き彫りとなっている。