年収103万円の壁の見直しをめぐり自民、公明の与党と国民民主党が協議しましたが、合意には至りませんでした。これを受け与党側は、現在の与党案を政府案の修正案として国会に提出する考えです。

自民・公明の与党は、所得税の非課税枠を上乗せする対象を年収850万円まで拡大し、非課税となる上限、いわゆる「年収の壁」を年収200万円以下の人は160万円まで引き上げる案を国民民主党にあらためて示し理解を求めました。

これに対して国民民主党側は、「所得制限のある案は受け入れられない」と拒否したということです。

国民民主党　古川代表代行
「我が党としては一応、この案ではなかなか受け入れることは難しい。これでは予算に賛成できないという話はきょう（26日）も自公にも伝えました」

国民民主党は、党内で協議をした上で最終的な結論を27日に与党側に伝えるとしています。

与党側は予算案をめぐる協議は「タイムリミット」だと主張して、現在の与党案を政府案の修正案として国会に提出する考えです。

3党は引き続き103万円の壁の見直しやガソリン税の暫定税率の廃止をめぐる協議を続けていくとしていますが、来年度に向けた修正協議は事実上、打ち切りとなります。

一方、現在の与党案に対し、日本維新の会の賛成が得られるかが焦点になっています。

維新は与党と、高校無償化など予算案の修正で合意し、予算案に賛成する方針になっています。ただ、合意した時点では「103万円の壁」については123万円に引き上げる政府案のまま合意していて、現在の与党案はその後にまとまったものです。このため、ある維新の幹部が「新たな与党案に賛成した認識は全くない」と話すなど、維新の中からは、このままでは賛成できないとの声もあがっています。

少数与党の中、維新の賛成が得られないと与党案は成立しないため、与党側は27日にも、維新に現在の与党案を説明し理解を得たい考えですが見通しは立っていません。

こうした中、自民党の小野寺政調会長は26日夜、都内で維新の馬場前代表や遠藤前国対委員長と会談しました。「103万円の壁」をめぐる現在の与党案は話題にならなかったということで、高校無償化などで合意したことを受け、慰労会として開いたということです。