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予算案修正めぐり維新と合意 高校授業料“無償化”が実現へ 協議難航「103万円の壁」は…どう決着?

2025年2月26日 1:01
予算案修正めぐり維新と合意 高校授業料“無償化”が実現へ 協議難航「103万円の壁」は…どう決着?

「高校無償化」と「103万円の壁」。来年度予算案の修正が大きな節目を迎えています。「高校無償化」について与党と日本維新の会は正式に合意をしましたが、「103万円の壁」をめぐる国民民主党との協議は、なかなか進展がみられません。

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25日午後6時半ごろ、多くの報道陣が集まるなか…。

石破首相
「非常に精力的にそして粘り強く協議を重ねていただき、本日こうして、合意にこぎつけることができました」

石破首相は、公明党の斉藤代表と日本維新の会の吉村代表と会談し、来年度予算案の修正をめぐり正式に合意しました。

そこに含まれていたのは、高校授業料の無償化です。

日本維新の会 吉村代表
「全国での所得制限のない高校授業料の無償化が実現される。今回の合意にいたったことは感謝を申し上げたい」

高校の授業料無償化をめぐってはこれまで、住んでいる自治体によって授業料に差が発生していることが指摘されていて、千葉県との県境近くにある都内の私立高校のあるクラスでは、38人中、都内からの通学が24人、千葉県内からは14人という結果に。

東京に住む24人は現在、都独自の「支援」によって授業料が無償となる一方、千葉に住む14人は東京都のような支援が受けられません。住んでいる自治体の違いで人によっては年間で50万円近く、支払う高校の授業料に差が生まれているのです。

千葉から通う生徒
「同じ学校に通っているのに支援の額に差があるのは不平等でよくないので、そこは平等にしてもらったほうがいいと思います」

今回の合意で授業料無償化が実現すれば、私立高校については来年4月から支援金が増額されますが、私立の授業料の全国平均までにとどまり完全な無償化とはなりません。一方で公立高校については、今年4月から支援金の所得制限がなくなり無償化となります。

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──高校授業料の無償化について

娘が私立高校に通う母親
「(娘が)私立に行ってるので助かるかなと思う。その分塾代とかに回せたりするので」

母親(50代) 公立高校に通う娘
「(高校受験のとき)私立にするか都立にするか、費用が桁違いなのでどっちに進むっていう話はよくしていた」

一方で難航しているのが、「103万円の壁」をめぐる国民民主党との協議です。

与党側は壁を123万円に引きあげる案をまとめ、さらに新たな案も出していますが、国民民主側はあくまで壁を178万に引きあげることを主張しています。

強気の姿勢を続ける国民民主側の思惑は、何なのでしょうか?

政治部官邸キャップ 平本典昭記者
「強気の背景には国民民主党が次の選挙で『プラス』とみている面があります。ある国民民主党の幹部は『次の選挙で手取りを増やすことに反対の自民・公明・維新、賛成の国民という構図で、戦いやすくなる』と戦略を明かしています」

今後の「103万円の壁」をめぐる議論については…。

政治部官邸キャップ 平本典昭記者
「このまま行けば決裂か、という声もあります。決裂した場合、今決まっている123万円に戻るのか、与党が非課税枠を拡大するのかまだ見えてこないんです。私たちの手取りがどうなるかに関わる大事な問題です。与党だけでなく野党の国民民主側にも政策を実現する知恵を出す、結論を出す責任があると思います」

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藤井貴彦キャスター
「葵さん、まずは高校無償化が実現することになりました」

葵わかな(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「進学先などの選択肢が増えるのはいいことだと思います。一方で、何かを実現するためには、どこからかお金を持ってきたり、何かをやめたりすることも必要になるかもしれませんよね。そのやめる部分などをどう決めていくのか? 議論を通してどう進んでいくのか、結果だけでなくその過程にもきちんと注目していきたいです」

(2月25日放送『news zero』より)

最終更新日:2025年2月26日 16:02