安倍政権が今の国会で最重要と位置づける「働き方改革関連法」が２９日の参議院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。

働き方改革関連法は残業時間に上限を設け罰則を科す一方で、高収入の一部の専門職を労働時間の規制から外す「高度プロフェッショナル制度」の創設などが盛りこまれている。

安倍首相「長時間労働を是正をしていく。子育て、あるいは、介護をしながら働くことができるように、多様な働き方を可能にする法制度が制定された」

立憲民主党・枝野代表「『働かせ方改悪法案』『定額働かせ放題法案』が成立をしてしまいました。過労死・過労自殺などを大きく増やしかねないという強い危機感を持っております」

一方、ＴＰＰ（＝環太平洋経済連携協定）の関連法も成立した。協定自体はすでに国会で承認されているので、これによりＴＰＰ発効に向けた国内の手続きが完了することになる。

この２つの法律の成立を受けて今後、政府与党はカジノを含むＩＲ（＝統合型リゾート）整備法案や参議院の議員定数を６増やす公職選挙法改正案などの成立に全力を挙げる。しかし、野党側は両法案には問題点が多いと指摘しており、徹底抗戦の構え。

来月２２日の会期末をにらみ、国会では与野党の激しい攻防が続く見通し。