【裏金疑惑】松野氏らに聴取へ――狙いは? 元特捜副部長「最適な人物」ナゼ 解体や分裂も…安倍派“終わりの始まり”?
「特捜部による任意の事情聴取の要請は、ついに安倍派の複数の幹部にまで及びました。中でも、この間まで官房長官を務め、安倍派の幹部でもある松野前官房長官に聴取する意味は大きいですよね」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「松野前官房長官と言えば、過去に派閥の実務責任者である事務総長もやっていますし、キックバックを受けていたとされる議員でもあります」
「元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は『松野前官房長官はこの 2 つの立場を兼ねていて、システムや実態をよく知っている“最適な人物”だ。早い段階で聴取して、全体像をつかもうとしているのではないか』と指摘しています」
有働キャスター
「どういう形で聴取は行われるのですか?」
小栗委員長
「通常、議員への任意聴取はホテルで行われることが多く、今回も検察は都内のホテルの一室で秘書や議員を聴取しているとみられています。また一般的に、聴取は要請から日を置かずに行われることが多いです」
有働キャスター
「年内に立件する可能性もあるのでしょうか?」
小栗委員長
「今回は関係者も多く、派閥の資金の流れなどを解明するにはまだ時間がかかるとみられています。特捜部は、年末年始を返上して捜査を進め、立件するかどうかの判断は年明けになるのではないかとみられています」
有働キャスター
「安倍派の複数の幹部が事情聴取を受けるということになると、安倍派は今後どうなっていきますか?」
小栗委員長
「『安倍派の“終わりの始まり”だ』と指摘する声が多く聞かれます」
「安倍派のある議員は『もう安倍派は崩壊するだろう。一度解体しないと世間が許さないだろう』、安倍派の関係者は『数だけを追い、慢心した果てに今の疑惑があり、起こるべくして起こった問題だ。2 つか 3 つに割れて、安倍派も終わりだろう』と語っています」
「安倍派に所属する議員は 99 人で、自民党内の最大派閥です。この数の力を生かして、これまでは閣僚や委員長などのポストを確保してきました」
「しかし、今となっては安倍派だから閣僚などを辞任しなくてはならない、地元でも批判されて今選挙があったら戦えないなど、安倍派にいるメリットがありません」
有働キャスター
「派閥を出たり、分裂したりという動きが出ているのですか?」
小栗委員長
「しばらくは様子見といった姿勢です。複数の安倍派の中堅議員は『いずれにしても捜査が落ち着いてからだ。誰が立件されて公民権停止になるか、それ次第だ』と話します」
「つまり、派閥が解体するにせよ、分裂するにせよ、その先誰をリーダーとして担いで政治活動をやっていくのか、捜査を見極めないことには、安倍派の議員たちもその先を見通せない状況のようです」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「安倍派はこのような状態なので、一度解散して同じ志を持つ人が集まってもいいのかなと思いました。そもそも派閥が何のためにあるのか、それが必要なのかを議論して説明しないと、もっともっと国民の信頼を失うのではないでしょうか」
有働キャスター
「そこまで踏み込まないと、国民も納得しないはずです。岸田首相は 21 日、自民党の青年局に国民の率直な声を集めるよう指示しましたが、『得意の聞く力、今からですか?』と思いました」
「これから集めるのであれば、『こちらへ』という分かりやすい窓口を SNS にも作ってみて、国民の本音を直接聞いてみるのはいかがでしょうか」
(12 月 21 日『news zero』より)