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“裏金”逆風の中……岸田首相、9年ぶり「国賓」訪米の思惑  贈り物に込めたメッセージ【#みんなのギモン】

2024年4月11日 10:53
“裏金”逆風の中……岸田首相、9年ぶり「国賓」訪米の思惑  贈り物に込めたメッセージ【#みんなのギモン】
9年ぶりの国賓待遇となった、岸田首相のアメリカ訪問。防衛や安全保障が最大のテーマになりそうです。首脳会談の他、議会での演説や、バイデン大統領夫妻への贈り物にも注目です。日本では“裏金”の逆風にさらされる岸田首相ですが、訪米の思惑を考えます。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「岸田首相 アメリカ訪問で〇〇したい」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●9年ぶり国賓待遇のワケ
●“裏金”で逆風 訪米で変えたい?

■インスタグラムに笑顔の両首脳が

小野高弘・日本テレビ解説委員
「岸田首相がアメリカを訪問中です。その胸の内を探ってみたいと思います。バイデン大統領のインスタグラムに日本時間 10 日午前にアップされた写真には、笑顔の大統領と岸田首相が写り、『首相がアメリカに戻ってきてうれしい』と書き込まれていました」

森圭介アナウンサー
「2 人ともにこやかで、どことなく雰囲気が似てますよね」

小野解説委員
「ホワイトハウスからの移動中の様子だということです。大統領専用車に乗せるのは、打ち解け合っているという意味もありそうですね」

■儀仗隊や赤じゅうたん…特別な歓迎

小野解説委員
「今回は国賓待遇です。政府専用機がワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に着いた際、通常のアメリカ訪問の出迎え時にはいない儀仗(ぎじょう)隊と音楽隊が待ち構えていました。タラップを降りると首相夫妻のために専用に敷かれた赤じゅうたんもありました」

「バイデン大統領が国賓待遇で迎えた首脳は、フランスや韓国、インドなど数えるほどで、5人目です」

桐谷美玲キャスター
「国賓待遇になるというのは、どういうふうに決まるんですか?」

小野解説委員
「国賓待遇は格が上がるので、日本政府からアメリカに求めたとみられます。ただそれだけで決まるわけではなく、双方で折衝しながら日程なども調整して、最後はアメリカが決めるということになります」

「アメリカにも、日本の首相を国賓待遇にするだけの理由はあります。アメリカにとって、日本が防衛費をアップして日米同盟を強化してくれるのはとてもありがたい。そのことを評価します、という意味もあるそうです」

鈴江奈々アナウンサー
「防衛費アップは日本国内では賛否両論ありましたけれども、アメリカからすると、今ウクライナやガザで対応に追われている中で、日本が増強することは歓迎で、今回はそのお礼も兼ねてみたいな意味もあるということなんですか?」

■首相「強固な日米同盟を世界に示す」

小野解説委員
「そういうことになります。首脳会談での最大の狙いは、防衛・安保面での強化を確認すること、自衛隊と在日アメリカ軍の指揮・統制機能の枠組みの向上を打ち出すことです。岸田首相は『強固な日米同盟を世界に示すよい機会になる』と話しています」

河出奈都美アナウンサー
「日本とアメリカの両国にとって、お互いが防衛や安保面で重要な存在であると考えている状況だと思います。国賓待遇となれば、それだけ日米関係強化をアピールする場も用意されているということなんでしょうか?」

■安倍首相にスタンディングオベーション

小野解説委員
「その1つが、岸田首相が連邦議会に赴いての演説です。9年前に当時の安倍首相が、日本の首相として初めて上下両院合同の会議で演説しました」

「安倍首相は『私たちの時代に女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはいけません』と英語で述べ、演説中にスタンディングオベーションが 10 回も起きました」

「この時、安倍首相を斜め後方から撮った写真を見てみましょう。(顔上げ拍手促す)(顔上げ、拍手促す、収まるのを待ち、)とわざわざ原稿に書いてあります。ピンクで印をつけるなど、入念に準備していました」

桐谷キャスター
「こんなに細かく書き込んで準備して、臨むものなんですね」

■英語でスピーチ…本番に向け入念に練習

小野解説委員
「岸田首相も意気込んでます。演説のテーマは『未来の世代に向けた日米関係』です。出発前、アメリカに駐在した歴代大使を官邸に呼び、演説などについても意見を求めていたということです」

「本番に向けて入念に英語スピーチの練習をしていたと、政府関係者は話しています」

■贈り物は輪島塗…色や意匠に注目

小野解説委員
「バイデン大統領夫妻への贈り物にも注目してみましょう。夫妻が受け取っているのは、輪島塗の珈琲(コーヒー)カップとボールペンです」

「地震で甚大な被害を受けた能登の伝統工芸品です。今回は、首相が輪島の若手職人らに依頼し、『ジョー』『ジル』と夫妻それぞれの名前を入れたオリジナルを作ってもらったそうです」

「カップは取っ手が付いていません。輪島塗は保温効果が抜群で、かつ外側が熱くならないため、熱々のコーヒーを入れても取っ手を付けずに素手で持てるのが特徴です。さらに、色合いにも着目してください」

桐谷キャスター
「濃いブルーでグラデーションになっていて、美しいですよね」

小野解説委員
「能登の夜の海をデザインして、グラデーションは地震からの夜明けを表現しているそうです。またカップにもボールペンにも、デザインに別のメッセージも込められています」

「ボールペンに描かれているのは、アメリカを象徴する鳥の白頭ワシです。もう1羽、日本文化の再生を象徴する鳳凰も描かれています。2 羽が仲良く舞っています。日米仲良く、ということです」

「カップのブルーにも意味があります。バイデン大統領とブルー、と言えば民主党のカラーです。岸田首相はちゃっかりとアピールするかもしれません」

■「得意の外交」で政権浮揚なるか?

桐谷キャスター
「外交に力を入れているのも分かりますし大事だというのもありますが、国内の裏金問題などもありますから、そこもしっかりしてほしいなとは思いますね」

小野解説委員
「そう思っている方は多いと思います。首相周辺は『得意の外交で政権浮揚につなげたい』、政府関係者も『裏金問題での逆風を少しでもアメリカで変えることができたら』と話します」

「去年もいわゆる統一教会の問題などで追い込まれた局面を、電撃的なウクライナ訪問やG7サミットといった外交の成果を上げることで政権浮揚につなげていました」

「今回、首相に同行取材している日本テレビ・政治部官邸キャップの平本典昭記者は『岸田首相は得意の外交で政権浮揚を狙っている。ただ裏を返すと、この厳しい局面を打開できるのは外交しか残っていないという危機感もあるのではないか』と話します」

鈴江アナウンサー
「かつてないほど安全保障環境が厳しいという認識の下、岸田首相は外交を進めています。そういったことをリアルに感じて理解を深めるのは難しいですが、トップ同士が会って決めていくことはとても意味が大きいので、しっかり注目したいと思います」

小野解説委員
「世界情勢が不安定な今、日米の首脳がどんなメッセージを出すのか。首脳会談は日本時間の11日未明です」

(2024年4月10日午後 4 時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)