「思いは受け継がれる」中曽根元首相死去
「戦後政治の総決算」を掲げ5年間にわたる長期政権を担った中曽根康弘元首相が29日、亡くなった。101歳だった。
中曽根氏は1947年、衆議院議員に初当選し、1955年の自民党結党に参加。運輸相や防衛庁長官を歴任した後、1982年、首相に就任した。5年に及ぶ在任中は、旧国鉄の民営化など行政改革に力を入れたほか、日米同盟の強化を目指し、当時のレーガン大統領と親密な関係を築いた。また、戦後の首相として初めて靖国神社を公式参拝した。
政界引退後も活発に政策を提言し、世論が分かれるテーマでの国会運営について、安倍政権にアドバイスすることもあった。
中曽根元首相(2014年放送「なかそね荘」より)「ややもすると、権力を持ってる方は権力で何でもできるという誤信を生む。普段そう思わなくても、やるということになるとそうなっちまう。そういう権力の魔性というものによく気をつけて、自粛自戒していかないと、間違うと思いますね」
安倍首相も中曽根氏の死を悼んだ。
安倍首相「中曽根先生は政治家として、また引退された後も、一貫して憲法改正の必要性を強く訴えてこられました。我が国の未来に対する強い思いは、必ずや時代を超えて受け継がれるものであると確信しております」
葬儀は近親者のみで行い、後日、お別れの会を開く予定。