自民党・安倍派の裏金疑惑をめぐり、収支報告書に記載のないキックバックの総額は直近5年間で5億円にのぼるとみられることが関係者への取材でわかりました。また、岸田首相が会長を務めていた岸田派でも、パーティー券収入の一部が収支報告書に記載されていなかったとみられることも新たにわかりました。

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12日朝、閣議にのぞむ大臣たちが集まる部屋にあったのは、「安倍派裏金5億円か」と見出しに書かれた新聞です。安倍派では収支報告書に記載のないキックバックの総額が、直近5年間で5億円にのぼるとみられることが関係者への取材でわかったのです。安倍派の所属議員側の大半が、収支報告書に記載せずキックバックを受けていたとみられます。

“裏金疑惑”を持たれている松野官房長官には不信任決議案がだされ、12日午後、採決が行われました

「内閣官房長官・松野博一君不信任決議案は否決されました」

自民・公明などの反対多数で否決されました。ただ、公明党の山口代表からは苦言も…

公明党　山口代表
「しかし（否決）だからといって、今、既に取り沙汰されていること、これが不問に付されるということではありません。否決したから即信任したと同じ評価をするべきではない」

同じく“裏金疑惑”を持たれている安倍派の塩谷座長は、12日の本会議では目をつむり、首を上下に動かしていました。そして、10日に記者からの追及を受け、「今言った通りと言ってるでしょ！　頭悪いね」などと、怒りをあらわにした安倍派の谷川議員も、深く目をつむり、うつむいている様子がみられました。

その谷川議員は本会議終了後、記者に囲まれましたが、手でふりはらい、そのまま前進。

記者
「キックバックの疑いがあるが？」
「まだ話せることはありませんか？」
「事実解明は進んでいるのでしょうか？」
「谷川さん、説明を求めています」
「国民に対しても頭が悪いと言っているのと同じことではないですか？　説明責任果たされてないですよね」

終始無言で国会をあとにしました。

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政治資金パーティーをめぐっては、関係者への取材で、岸田首相が会長を務めていた岸田派でも、数年前までパーティー券収入の一部が、収支報告書に記載されていなかったとみられることがわかったのです。不記載の総額は2000万円から3000万円とみられています。

これについて問われた岸田首相は…

岸田首相
「宏池会（岸田派）の事務局に対して調査を行い、（捜査）当局に説明を行い、そして修正の必要があるならば適切に対応する、このように指示をしています。事務局には責任をしっかり果たさせたいと思っています」

野党は…

立憲民主党　安住国対委員長
「他の派閥にも波及するとなれば、今度は安倍派の問題ではなくて自民党全体の問題になっていくと思います」

さらに、自民党無派閥の小泉進次郎議員からも…

小泉進次郎議員
「国民の皆さんの大きな不信が、今、我々に向かってるということは間違いないと思いますので、無派閥か派閥の議員か、そういった思いでこの問題を直面をすることではなくて、自民党全体の問題だと、そういう思いで向き合っていきたい。そして国民の皆さんの不信感にしっかりと応え、そしてまた信頼回復できるようにしなければならない。今日の時点では以上です」

国会閉幕後、すみやかに人事を行う方針の岸田首相。閣僚などから安倍派を排除し事態の収拾をはかりたい考えですが、自民党内からは「八方ふさがりだ」との声も上がっています。