ハイペースで地方視察 岸田首相、総裁選の再選戦略は
9月に自民党総裁選挙を控え岸田首相がハイペースで地方視察を行っています。そこから見える総裁選の再選戦略について記者のリポートです。
岸田首相が訪れたのは、北海道・札幌市にある発達障害などのある子どもに支援を行う施設です。
視察を終え、岸田首相は、障害者への差別や偏見の根絶に向け、新たな政府の会議を立ち上げることを表明しました。
岸田首相
「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部、この本部を明後日7月26日に立ち上げることとし、第1回の本部会議、来週29日に開催したいと考えています」
また、次世代半導体の工場建設予定地も視察し、福祉から産業まで、現場の最前線に足を運びました。
子どもたちと笑顔で触れ合うなど、いずれの視察でも、首相は国会開会中はあまり見せなかった柔らかい表情で現場の声に耳を傾けていました。
実は、岸田首相、通常国会が閉じてからの1か月ほどですでに6回、地方を訪れ幅広い分野で視察を重ねています。
内閣支持率の低迷など政権の苦しい状況が続く中、首相周辺は「現場視察でニーズを聞き取り、支持率アップにつながるような次の政策に繋げたい」と視察の狙いを打ち明けました。
首相の周辺を取材していると「総裁選挙は厳しい戦いになる」との声が多く聞かれます。
厳しい状況を打開するため岸田首相は、地方での視察を新たな政策の打ち出しにつなげようとしています。
「聞く力」と「政策能力」をアピールし、総裁選挙での再選の糸口にしたい考えです。