PCR検査が増えないワケ 国会で連日追及
新型コロナウイルスをめぐる国会論戦。なぜPCR検査は不十分なのか、経済支援も足りないという野党の追及に、安倍首相はどう答えたのでしょうか。
◆きょうもこの質問「PCR検査は、なぜ少ないんでしょうか」
緊急事態が宣言されて3週間以上がたつ今も、この質問が、連日繰り返されています。
国民民主党・森裕子議員「PCR検査は、なぜ少ないんでしょうか。この質問に、もうずっと同じ答弁なので、国民の皆さんも『えー』って思ってるんです」
30日、新たな解決策は示されたのでしょうか。
加藤厚労相「それぞれの地域の中でご努力をいただいてるんです。国だけ(旗を)ふったからといって、どうにかなるもんではない」
国民民主党・森裕子議員「もうね、総理、本気度が足りないんじゃないんですか」
安倍首相「さまざまな目詰まり、あるいは地域ごとの差があるわけでございまして、国が仲介をしながら、融通しながら、検査を受けられるようにしていきたい」
国民民主党・森裕子議員「何か月たったと思ってるんですか。総理、ちゃんとやってください。総理がリーダーですよ」
安倍首相「我々、能力を1万5000まで上げてきたということでございまして、地方と一緒になって努力を重ねていきたい」
PCR検査は、一日およそ1万5000件可能なのに、なぜ実施件数は大幅に少ないのか──。安倍首相はその理由について、「厚労省を問いただしている」とした上で、「さまざまな目詰まりがある」と認め、加藤厚労相も「反省しなければならない」と述べました。
◆こちらも連日、「家賃」問題は
一方、こちらも連日取りざたされている「家賃」の問題。政府は、家賃を猶予した貸し主に支援策を講じることで家賃猶予を促すほか、最大200万円の持続化給付金で対応する、としていますが……
国民民主党・森裕子議員「持続化給付金、1回こっきりって言ったら『もうやっていけない』って皆さんから悲鳴が聞こえてきてるんですよ」
野党が1回の給付では足りない、として追加給付を検討するようせまると、安倍首相は──
安倍首相「地代等の支援も含め、我々、今回持続化給付金を支給させていただく。さらに(自粛が)のびていくという必要があればですね、対応していかなければいけません」
政府には、国民の不安を払拭する十分な説明と対策が求められています。
◆記者会館から中継。改善策は示された?
──PCR検査が不十分なことについて改善策は示されたのでしょうか。
安倍首相は、これまでの説明を繰り返すにとどまりました。
検査が不十分な理由について、ある閣僚経験者は、政府がいくら指示を出しても自治体が動かない、保健所も人員不足、経験不足で対応できていないと指摘しています。
政府は保健所を通さない検査ルートの確保に取り組んでいますが、与党内からは「安倍首相がもっと早く手を打つべきだった」と批判が出ています。
──経済支援が足りないという指摘を受けて政府の対応はどうなりますか?
いつまでに何を実現するのか国民が納得する取り組みが求められています。
ある官邸関係者は、支援策で膨らむ国の借金が将来の経済危機につながる危険性を指摘していて、「支援策が小出しになる理由だ」と与党内でも指摘されています。
「感染拡大防止が優先か経済支援優先かいまだ狙いがはっきりしない。だから国民の納得感がえられない」という与党内の指摘にも、どう応えていくのかが焦点になります。