“統一教会”と選挙 “ボランティア派遣”を重宝? 誰もやりたがらない「電話作戦」も熱心に…
なぜ、政治家がいわゆる“統一教会”の「世界平和統一家庭連合」と関係を持つのでしょうか。そのカギは「選挙運動でのボランティア」にあるようです。選挙スタッフがやりたがらないような仕事も熱心にやるといい…。
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■「集票力はそこまで大きくない」 “ボランティア”に期待?
有働由美子キャスター
「なぜ、政治家がいわゆる“統一教会”と関係を持つのか、選挙で票になるからかと思ったら、ある自民党議員の秘書によると『集票力はそこまで大きくない』というんです。では何を期待しているのか、議員の秘書たちに聞くと『選挙運動で信者をボランティアとして派遣してくれること』だというんです。これはどういうことなんでしょうか?」
小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「信者たちはこんな活動をするそうです。掲示板でのポスター貼り、街頭演説でのビラ配り、動員され聴衆として参加したりする…。議員秘書たちに本音を聞くと、特にありがたいのが『電話作戦』での電話かけだといいます。マンションの1室などを借りて、そこから一軒一軒に電話をかけて投票を呼びかけるものなんです」
「ある自民党議員の秘書が言うには、選挙スタッフはこれをやりたがらないといいます。『スタッフの中には嫌々やってきて、電話をかけずにお菓子ばかり食べて帰るような人もいる。電話かけは、1番ストレスだし、最終盤まで“お願いします”とかけ続けるので誰もやりたがらない』ということです。その点、教団信者のボランティアは一生懸命やるといいます。この秘書は『選挙慣れしていて説明も必要ないし、サボらず熱心に選挙運動をしてくれる。朝早くから夜遅くまでバリバリ働くので、重宝するんです』と話していました」
「では、信者はどういう思いで支援をしているんでしょうか。手伝ったことのある元信者に聞ききましたら、『教会のやろうとしていることイコール”善”であって、自ら進んでやっていた感じです。自身の徳が積めて信者としての評価が上がると思って支援した』という風に話していました」
有働
「選挙を手伝うことが、信仰にとっても良いことと結びつけられているってことですかね」
■自民党も政党としてのつきあいはなく… 議員個人に“アクセス”
小野
「自民党は政党としてのつきあいはありません。教団側も『特定の政党や候補者を組織的に応援することはありません』とコメントしていまして、あくまで議員個人にアクセスしてくるそうなんです」
「選挙運動員へ報酬をあげたりすると、選挙違反になりますから、こういうボランティアで運動員をやってくれる人は、とても貴重だといいます」
「警戒感もほとんどありません。秘書たちは『多額の寄付を受けているわけでもなく、利益供与もしていないので断る理由もないです』や『細くライトなつきあいですよ』と話していました」
有働
「なんかこう、当たり前のように受け入れているということなんですね」
■政治家が関わりを持つことで“お墨付き”を…
小野
「宗教団体が選挙で政治家を支援すること自体は問題ないんですが、"統一教会”は霊感商法被害や多額の献金要求など社会問題を起こしています。そうした団体に自民党の有力な政治家が関わりを持つことで、結果としてお墨付きを与えているのではないか、ということが問われています」
有働
「政治家の人たちは『(教団による)選挙応援は問題ない』という感覚だそうですけれども、『問題ない』と言うんであれば、先日の参院選でも隠さずに『こういう団体から支援を受けています』と私たち有権者に示してほしかったんですが」
(7月25日放送『news zero』より)