何に使われる? 来年度の概算要求額…約114兆円“過去最高”の見通し 水田での転作の予算に
31日、各省庁からの予算の要求「概算要求」が締め切りを迎えています。2024年度の概算要求は一般会計で約114兆円となり、過去最高となる見通しです。来年度の国の予算は何に使われるのでしょうか。
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水田が広がる茨城県。30日、私たちは坂東市の農家「ソメノグリーンファーム」を訪ねました。この農家では“ある取り組み”が行われていました。
ソメノグリーンファーム・染野実さん
「小さい『さや』が見えると思うんですけど、大きくなって大豆になる」
育てていたのは大豆です。実は元々、別の作物を作っていたと言います。
染野実さん
「ここは元々、水田でお米を作っていたところなんですけども」
そのため畑には、水田の水を畑に適した量に減らすための設備がありました。
染野実さん
「これは暗渠(あんきょ)といいまして。(ゴムの栓で)水を止めたり、上げれば水を出したりできる」
ソメノグリーンファームでは、日本が輸入に頼っている小麦や大豆の生産を拡大しているのです。
染野実さん
「日本人の食べるお米の量が年々減ってきまして、それなら小麦や大豆といった今、日本で不足している農産物を作った方が良いのではないか」
現在、日本で消費される小麦のうち国産は16%、大豆は25%しかありません。(令和4年度・農水省発表)そんな中、ウクライナ侵攻で穀物価格が高騰するなど、家計への影響も出ています。
染野実さん
「ウクライナ、ロシアの関係で小麦の輸入って非常に難しい」
農林水産省は、こうした水田での転作の予算に来年度3050億円を要求。食料を安定して確保する「食料安全保障」の強化が求められる中、政府は「食料・農業・農村基本法」を今年度改訂し、来年度の予算で約2兆7200億円を確保したい考えです。
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各省からの要求を受ける概算要求。31日、財務省では要求の締め切り日を迎えていました。2024年度の概算要求は一般会計で約114兆円となり、過去最高となる見通しです。
防衛省は、巡航ミサイル「12式地対艦誘導弾」の能力向上など防衛力強化に伴う防衛費を大幅に増加し、過去最大の約7兆7400億円を要求。少子化対策などの重要な政策では金額を明記しない「事項要求」が多いことから、実質的な要求額は114兆円よりさらに膨らむ見込みです。
年々要求額が膨らみ、極めて厳しい財政状況の中、日本の直面する課題に効果的な予算の使い方が求められます。