“裏金”の使途…自民党調査はナゼ「匿名」公表? 調査にあたった党幹部は…
「調査についての報告書には20ページにわたり、聞き取った議員らの名前やどんな発言があったのかが記されています。例えば、『気持ち悪いと思っていたので使わなかった』などのコメントが載せられているんですが、肝心の『どの議員が何を語ったのか』という点は記されていません。なんで匿名なんでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「自民党は公表にあたって記者会見もしなかったので、なぜ匿名なのか、その理由すら、明らかにしていないんです」
「私たちの取材によると、調査にあたったある党幹部は、『調査を始める段階で、実名より匿名の方が話しやすいだろうとなった。実際、匿名で調査してみると、赤裸々に話す人もいた。中には実名で公開して欲しいという人もいたけど、全部公開にしたら、自民党が組織としてギクシャクして、組織としてプラスにならないと判断した』と話しているんです」
「実際読んでみると確かに生々しい発言もあります。例えば…」
<議員>
「派閥から『記載しなくていい』と言われたので『裏金』みたいなものではないかと思い、全額残した。(派閥の会長だった)細田氏に『返す』と言ったし、安倍氏にも『おかしい』と言った。ほかの議員も言っていた」
<議員>
「組織としてのけじめはつけないといけない。固有名詞は言いづらいが、派閥の代表であったり、執行部ということになる」
<議員>
「言い訳にはならないが、派閥の一会員は、派閥から指示されると、そこから外れたことはできない」
有働キャスター
「本音かもしれないですけど、おかしいと思ったなら、声上げるのが政治家なんじゃないの? と思ってしまうんですけど…」
小栗解説委員長
「その通りなんですよね。報告書をとりまとめた弁護士は、最後に提言として、『上の者に対する畏怖や忖度から指摘されるべきことが指摘されないと、不正は重症化する』として、声を上げることへの『称賛の実践』と『外部窓口の設置』などを挙げています」
「でもならば、なおのこと、今回実名で声を上げてほしかったですよね。ある自民党の閣僚経験者は、『今、情報を公開しようとしているのに匿名なんて、また何かを隠そうとしていると思われちゃうじゃないか』と忸怩たる思いを語っていました」
有働キャスター
「廣瀬さんはどう思いますか」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「まだ何か隠しているような印象があるので、匿名はデメリットが大きいような気はしましたね。そもそも選挙で国民から選ばれているわけですから、派閥ではなく国民の方を向いて仕事をしないといけない、政治家としての志を改めて問いたいなと思いますね」
有働キャスター
「『おかしい』と思ったなら、それをちゃんと国民に伝えるのが政治家の最低限の仕事じゃないですか。今からでも間に合いますので、まずはこの後の政治倫理審査会、国会の場で意地を見せてほしいです」
(2月15日放送『news zero』より)