【解説】政倫審 “出席意向”なぜ6人に? 基準は? 松野氏・高木氏・世耕氏も… “裏金問題”解明なるか
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派閥の政治資金をめぐる問題で、野党側が求める政治倫理審査会に出席する意向がある議員は現時点で6人です。
まずは“安倍派5人衆”と呼ばれる安倍派幹部から4人。松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業大臣、高木毅前国対委員長、世耕弘成前参院幹事長で、残る1人、萩生田光一前政調会長は、現時点で“出席の意向”は示していません。
そして、安倍派座長の塩谷立議員と二階派の武田良太事務総長の2人が、出席の意向を示しています。
それぞれの議員が政治資金収支報告書に記載していなかった金額つまり“裏金”の金額は、松野氏が1051万円、西村氏が100万円、高木氏が1019万円、世耕氏が1542万円、萩生田氏が2728万円、塩谷氏が234万円、武田氏が1926万円となっています。
一方、野党側は“裏金”があった参議院議員32名についても、参議院の政治倫理審査会に出席するよう求めています。
■出席2人が6人に…党の調整が後手後手か 立憲幹部「党のガバナンス」を批判
藤井貴彦キャスター
「ここからは日本テレビ政治部自民党担当キャップの前野全範記者と、3つのポイントについてお伝えします。まず、自民党側は20日は『2人』と回答した出席議員ですが21日に、6人まで増えました。これはなぜでしょうか?」
政治部 自民党担当キャップ・前野全範記者
「野党側は先週の時点で51人の出席を求めていましたが、自民党の調整が後手後手に回り、最後に『五月雨式』に決まった形といえます」
前野記者
「自民党の調整が本格化したのは今週に入ってからでした。20日になって自民党幹部が塩谷議員と武田議員の2人の出席の意向を確認しました。そして、20日夜から21日朝にかけてさらに衆議院議員3人に参議院議員1人を加えた4人の確認が進み『五月雨式』に、2人が1日で6人に増えた形です。
政倫審の現場で交渉を担当しているある立憲民主党の議員は『自民党は週末、何をやっていたんだ』と調整の遅さを批判しています。また、別の立憲幹部は『自民党の司令塔がいない』と、党のガバナンスを批判しています。
自民党の中からでさえ『本来なら幹事長が仕切ってやるべき問題だ』と茂木幹事長を中心に人選を進めるべきだとの声もありましたが、本格的な調整は急きょ、党内の聞き取り調査を行っていた森山総務会長を中心に進められたんです」
■出席者の基準は? 萩生田氏は出席せず 理由は?
藤井キャスター
「政倫審出席の『線引き』は、どういった基準でなされたのか? 6人以上になる可能性もあるのか、この点についてはどうでしょう?」
前野記者
「この点も、ある立憲議員は『出席者の基準が曖昧だ』と批判しています。
“安倍派5人衆”と呼ばれる幹部の中では、萩生田前政調会長だけが出席しない方向で調整が進んでいます。ある自民党幹部は萩生田氏については「事務総長経験者ではない」と理由を説明しています。
一方で松野氏、西村氏、高木氏など事務総長経験者が出席する意向を示す中、同じ事務総長経験者でも安倍派の下村博文元文部科学大臣には、出席の意向すら確認していないということなんです。
この点に、ある立憲民主党の幹部は「忖度(そんたく)を感じる」「安倍派幹部5人衆と事務総長経験者は全員出席すべき」だと指摘しています。
■開催時期めぐり…与野党が攻防 公開か非公開か?
藤井キャスター
「政倫審の開催時期はいつなのか。そして公開される予定なのでしょうか?」
前野記者
「開催時期は、まだ見えていません。野党側は来週中の開催を求めていて、政倫審の開催を予算案の採決の条件にするような構えを見せていますが、ある自民党幹部は『予算とリンクさせるのはおかしい』と反発していて、開催時期をめぐる与野党の攻防が続くことになります。
もう1つの焦点は政倫審が公開されるのか、です。
野党側は当然、公開するよう求めていますが、出席の意向を示している安倍派幹部の1人は周辺に「原則は非公開だ」と公開には後ろ向きな姿勢を見せているんです。
裏金問題の実態解明につなげるために、政倫審では出席した議員が十分な説明責任を果たすかどうかという点が重要になると思います」