岸田首相“暴力には屈しない”あすも予定通り選挙活動
8日昼前、奈良県で選挙応援の演説中の安倍元首相が銃で撃たれ、病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。岸田首相は暴力には屈しないとして、9日も予定通り自らも選挙の遊説を行うことにしています。
岸田首相
「民主主義の根幹たる自由で公正な選挙は絶対に守り抜かなければならないと思っている。決して暴力に屈しない断固たる決意のもと、明日は予定通り選挙活動を進める」
政府関係によりますと、政府・自民党内には岸田首相が9日、遊説をとりやめ東京に残るべきという意見もあったものの、最終的に予定通り選挙活動を行うことを決めたということです。
公明党の山口代表は、安倍氏の訃報を受けた後、岸田首相と電話で会談したことを明かし、「選挙は民主主義の根幹であるということをふまえ、暴力に屈してはならない、こういう姿勢を国民にともに示していく」認識を確認しあったと述べました。
立憲・泉代表
「政治的なスタンスは立憲民主党とは異なるスタンスを持っておられたが、我が国の国政に多大なる歩みを残され、我が国をリードされた元総理大臣に心から哀悼の誠をささげたい」
野党各党も9日、予定通り選挙活動を行う方針です。
一方、安倍元首相の実の弟である岸防衛相が8日夜、記者団の取材に応じました。
岸防衛相
「兄は政治に対して命をかけてやってきた。でもこのような形で命を取られるとは思ってもいなかった。悔しくてたまりません」
安倍元首相の議員会館の事務所には、続々と国会議員が訪れました。安倍内閣で官房副長官を務めた加藤勝信氏は、安倍事務所を訪れた後、記者団に対し「いま、安倍元首相の部屋に入らせていただいた。なにか声が聞こえるような気がして」「ショックというか、まだ信じられない」と話しました。
また、安倍氏側近の萩生田経産相は、「師であり同志であり、優しい兄貴だった。かけがえのない存在だった」と語りました。