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石破首相、戦後最短で衆議院を解散…野党は反発 “非公認”議員は困惑

2024年10月10日 6:11
石破首相、戦後最短で衆議院を解散…野党は反発 “非公認”議員は困惑

9日、石破首相は就任からわずか8日、「戦後最短」で衆議院の解散に踏み切りました。事実上の選挙戦がスタートしましたが、自民党から非公認とされた議員からは困惑の声が聞かれました。

9日、国会に届いたのは…

記者
「厳重な警備のもと、解散の詔書が運ばれてきます」

天皇陛下が署名された解散詔書。

石破首相が就任してからわずか8日…

衆議院 額賀議長
「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する」

ふぞろいなバンザイに包まれて、9日に衆議院が解散されました。

“戦後最短の解散”。9日夜、石破首相はこう名付けました。

石破首相
「この解散は日本創生解散です。我々の政権は日本を守ります、国民を守ります。都市の安全を確保し、地方の暮らしを守ります。若者・女性の機会を守ります。どうぞ我々に政権を託してください、心よりよろしくお願いします」

衆議院総選挙の勝敗ラインについては、「自民党・公明党で過半数を目指したい」と述べました。

連立を組む公明党は…

公明党 石井代表
「政治不信を払拭できる、徹底できる、政治改革を進められる政党・政治家は誰かということが問われると思うし、衆議院選挙なので政権選択の選挙になります」

しかし、野党は解散そのものに一斉に反発しました。

立憲民主党 野田代表
「裏金隠し解散」

日本維新の会 馬場代表
「猫の目解散」

共産党 田村委員長
「党利党略解散」

国民民主党 玉木代表
「裏金使い解散」

れいわ新選組 山本代表
「解散なんかしちゃいけない。能登半島地震、発災してからまだ立ち上がれてないんです」

社民党 福島党首
「国会をやっていると支持率が落ちるというわけで、とんずら解散なわけです」

参政党 神谷代表
「大義ないご都合解散だなと」

解散の前、与野党のトップが、激しい論戦を交わしました。先陣を切った立憲民主党の野田代表は…

立憲民主党 野田代表
「いわゆる裏金議員。12人が非公認ということになりました」

自民党が9日朝、いわゆる裏金議員のうち12人を非公認とすると発表したことについて追及。

立憲民主党 野田代表
「相当程度非公認と 総理はおっしゃっていた。公認される人は30人超えるんじゃないですか? 大半が公認じゃないんですか?」

石破首相
「代表は本当に言葉を大切にされる方ということは、長いおつきあいでよく存じております。裏金というのは決めつけだと私は思っております。それは不記載ということであって、そのことは本当におわびをしていかなければなりません。どれほどを相当と判断するというのは人によって違うのでしょう。これが甘いとかいいかげんだと、そのようなこと一切考えておりません」

立憲民主党 野田代表
「公認料払うわけですよね。160億円の税金も関わってくるんじゃないですか? 脱税まがいのことをやった人たちに血税が支払われるかもしれない。私は国民感情から到底理解することができないと思います」

石破首相
「誰がどんな脱税をしたかということが立件をされているのでしょうか。自分のものとして使ったということが立件になった例は1件もありません。したがいまして、脱税ということは決めつけ」

野党からの追及は続き…

日本維新の会 馬場代表
「私はこの解散、命名するとすればですね、猫の目解散。くるくるとリーダーである総理総裁の言うことが変わる」

石破首相
「私は総裁選挙の最中も信を問うべきだということは申し上げてまいりました。信を問わねばならないということと、主権者たる国民の皆さま方にご判断をいただく」

共産党 田村委員長
「最低賃金の大幅な引き上げのためには、中小企業への直接の支援が鍵だ、必要不可欠だと思うが?」

石破首相
「社会主義国家ではございませんので、政府が主導してそこに直接お金を払うやり方が必ずしも正しいとは私は思っていません。付加価値を上げ生産性を上げ、従業員の皆さま方にお支払いをする。そういう原資ができるかということに私どもは努力をしてまいりたい」

国民民主党 玉木代表
「この選挙に関して1円も政策活動費は使わないということをここで明言してください」

石破首相
「現在、許されております政策活動費を使うことは、可能性としては否定はしません」

「万歳をする意味がわからない」と、この日もこれまでどおり解散の万歳をしなかった自民党の小泉選対委員長。それに先だって、森山幹事長とともに裏金議員の非公認問題についての決定を伝えました。

自民党 森山幹事長
「政治資金パーティーをめぐる不記載があった議員等のうち、12名が非公認の扱い」

迫る総選挙で「非公認」となったのは12人。党員資格停止処分を受けた旧安倍派幹部や政治倫理審査会に出席していない萩生田光一氏ら6人に、9日に新たに6人が追加で発表されました。

そのうちの1人、小田原氏は…

──基準が曖昧という声もあるが

非公認 自民党・旧安倍派 小田原潔氏(不記載額1240万円)
「それは私が考えることではないから、党の決定に従うのみです」

──悔しさはある?

小田原潔氏
「そんなこと言ってもしょうがない。選挙が始まるんだから一生懸命戦って、なんとか石にかじりついてでも当選して帰ってくる」

同じく“非公認”の細田氏は困惑を隠せず…

──非公認に関しては何の連絡もない?

非公認 自民党・旧安倍派 細田健一氏(不記載額564万円)
「ないですね」

──ないんですか?

細田健一氏
「はい。ちょっと正直いいかげんにしろという気持ちはありますけども」

自民党は基本的に非公認の候補者に対立候補を擁立しない考えですが、ある自民党幹部は、地元から要請があれば今後、別の公認候補を擁立することは否定しないと含みを残しています。

“非公認”への反発は、公認された候補者からも聞かれました。

公認 自民党・旧安倍派 大塚拓氏(不記載額994万円)
「これまで報道されているようなやり方については、自民党のあり方としていかがなものかという意見は申し上げました」

自民党 二階元幹事長
「大変、恵まれた環境の中で多くの皆さんにお世話になったと」

この解散をもって政界を引退する二階元幹事長。40年以上にわたった国会議員生活に幕をおろしました。

一方で、党の公認を受けて総選挙に臨む候補者には、石破総裁から公認証書が手渡されました。

   ◇

各党は事実上の選挙戦に突入。私たちの未来を選ぶ18日間がスタートしました。

(10月9日放送『news zero』より)

最終更新日:2024年10月10日 16:55