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【全文】日韓首脳会談「現時点で何ら決まっていない」 官房長官会見(9/15午後)

2022年9月15日 20:09
【全文】日韓首脳会談「現時点で何ら決まっていない」 官房長官会見(9/15午後)

松野官房長官は15日午後の会見で、アメリカ・ニューヨークで行われる国連総会にあわせて、日韓首脳会談を開催するかについて、「現時点で何ら決まっていない」と述べました。

<会見トピックス>
▽中国艦艇領海侵入

▽日韓首脳会談

▽安倍元首相国葬

▽G7閣僚会合開催地

▽ランサム被害

▽世論調査

▽新型コロナワクチン製造拠点

▽デジタル給与払い

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――中国海軍の艦艇について伺います。

今日測量艦1隻が、一時、屋久島周辺の日本の領海内を航行しました。

把握している情報と政府の対応は。

また、中国海軍の艦艇の領海侵入は今年に入って3回目となります。

国交正常化50年の節目を前に、こうした頻度で繰り返されていることについての政府見解もあわせてお聞きします。

○松野官房長官
本日午前7時20分ごろから午前10時50分ごろにかけ、中国海軍の測量艦が屋久島および口永良部島周辺の我が領海内を航行したことを確認をしています。

政府としては、海上自衛隊の護衛艦や航空機による監視等を行うとともに、外交ルートを通じて、我が国周辺海域における中国海軍艦艇のこれまでの動向を踏まえ、我が国の懸念を伝えたところであります。

中国海軍の艦艇の航行目的については、確たることを申し上げるのは困難でありますが、近年、中国軍による我が国周辺における活動は、ますます拡大、活発化の傾向にあり、今回の領海内航行についても、その一環とみられます。

政府としては、こうした領海内航行について、懸念を持って注視しているところであり、引き続き、警戒監視活動に万全を期していく考えであります。

――日韓首脳会談について伺います。

先ほど、韓国大統領府はニューヨークで開かれる国連総会に合わせ、岸田総理と尹大統領による日韓首脳会談開催で合意したと発表しました。

事実関係について、日本政府としての認識、現在の調整について伺います。

○松野官房長官
岸田総理は諸般の事情が許せば、国連総会に出席する方向で調整をしています。

総理のニューヨーク訪問の具体的な日程については、現時点で何ら決まっていません。

現在、日韓関係は、旧朝鮮半島出身労働者問題や慰安婦問題等により非常に厳しい状況にありますが、外交当局間で緊密に意思疎通をしています。

韓国は国際社会における、様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国であります。

現下の戦略環境に鑑み、日韓、日米韓協力の進展が今以上に重要な時はありません。

国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を健全な関係に戻し、さらに発展させていく必要があり、日韓関係改善のため、韓国政府と緊密に協力をしていく考えであります。

――領海侵入。

中国側へ懸念を伝えたということだが、今回、抗議ではなく懸念とした理由は。

○松野官房長官
我が国として中国海軍艦艇の我が国周辺海域における動向を注視しており、個別具体的な状況に応じて、我が国の立場を申し入れをしてきております。

今般の事案については、国際法上の評価を含め、詳細は分析中でありますが、現時点で判明している当該艦艇の航行をめぐる具体的な状況や我が国周辺海域における中国海軍艦艇のこれまでの動向等を踏まえ、しかるべく懸念を伝達をしたものであります。

――安倍元総理の国葬について伺う。

立憲民主党の泉代表が自身を含む党執行部9人の出席を見送ることを本日表明した。

国葬の法的根拠などをただす政府への質問書への回答内容が不十分だからとのこと。

改めて政府の受け止めを。

また、共産党、社民党、れいわ新選組に続いて野党第1党となる立憲民主党の執行部が欠席となることについてどのように捉えるか。

そもそも国葬という性質上、できる限り野党も含め、党派を超えた幅広い政治勢力の参列が望ましいと考えないか。

これまで理解を得る努力が十分だったと考えるか。

政府の認識を。

○松野官房長官
午前中も申し上げた通り、質問書は岡田幹事長が私の事務所に、お越しになり手渡された文書であります。

政府としては、しっかりと説明する観点から、迅速かつ丁寧に回答したものと考えています。

各党の代表を含め国葬儀への参列については個々人でご判断されるものと承知をしており、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

国葬儀については、様々な意見があると承知をしていますが、政府としては、引き続き、国民の理解が得られるよう、様々な場を通じて政府の考え方につき、丁寧に説明を尽くしていきたいと考えております。

――G7関係閣僚会合について伺います。

一部報道で複数の開催地が決定の方向と報じられていますが、政府としての調整状況、また今後のスケジュールはどうなっていますでしょうか。

また、開催地を決めるに当たってどういった点を考慮しているのでしょうか。

○松野官房長官
閣僚会合の開催地選定については、最終調整中であり、近日中に決定、公表したいと考えています。

なお、開催地の選定にあたっては、誘致に名乗りをあげてこられた地方公共団体の中から、会場、宿舎、警備などの様々な観点から検討を進め、政府として総合的に判断する考えであります。

――話題戻り、安倍晋三元首相の国葬についてお伺いします。

立憲民主党の泉代表が国葬への出席を見送ることを発表しました。

戦後は11回元首相の国葬や合同葬が執り行われていますが、野党第1党の党首・代表が欠席したことがあったのか、教えてください。

○松野官房長官
事務局において調べた限りでは、野党第一党の代表が出席されていないこともあったと承知をしております。

――ランサムウェアの被害について伺う。

警察庁のまとめによると、ランサムウェアの国内での被害報告は22年上半期で114件にのぼり、前年同期比で87%増となっている。

製造業などの企業活動に影響が出るなか、政府としての受け止めと今後の対応について伺う。

○松野官房長官
近年、ランサムウェアによるサイバー攻撃の被害は発生件数の増加のみならず、企業の生産や病院の運営が中断させられるなど社会経済活動に深刻な影響を与える事例が相次いでおり、極めて深刻な状況であると認識をしています。

これらの被害は系列企業の親会社など比較的規模の大きい企業にとどまらず、子会社や委託先など中小規模の企業団体等においても生じています。

政府においては経済産業省、警察庁、NISCをはじめ、関係省庁において情報収集、分析に努めており、これまで複数回にわたり、関係省庁連名で注意喚起を行うなどしたところであります。

また米国をはじめとする関係各国とは、発生した被害に関する情報共有を行ったり、発生時の対処方法の検討を行ったりするなど、国際的な連携も進めているところです。

政府としては、関係省庁間の連携をさらに強化するなどにより民間部門も含む、我が国全体のサイバーセキュリティーの確保に万全を尽くしてまいりたいと考えております。

――弊社が9日から12日に実施した世論調査について、岸田内閣の支持率が32%となり、政権発足後最低だった。

また国葬について尋ねたところ、反対が51%、旧統一教会の首相や議員の説明について納得できないと答えた割合が74%だった。

先日、閉会中審査で首相自ら国葬について説明したうえ、旧統一教会問題を巡っては、自民党内で点検結果が公表されたところだが、政府の受け止めは。

○松野官房長官
世論調査の数字に一喜一憂はしませんが、一般論として申し上げれば、世論調査に表れた国民の皆さまの声を真摯に受けとめ、政府としての対応に生かしていくことが重要であると考えています。

引き続き、政府として、国葬儀について様々な場を通じて丁寧に説明を尽くすとともに、関係省庁と連携して霊感商法の被害者への対応に万全を期すなど、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

――米国のバイオ企業のモデルナが、会見で、新型コロナウイルスなどのワクチン製造拠点を日本に整備する方向で検討していることを明らかにしました。

国内企業が開発に苦戦している状況も見受けられますが、このモデルナの意向について、政府はどのようにお考えか。

また、モデルナ以外にですね、ワクチン製造拠点を日本に設置したいと政府に打診などしている国外企業はあるのでしょうか。

○松野官房長官
国内で質の高いワクチンを開発・生産できる体制を確立しておくことは危機管理上も極めて重要と考えています。

個別の企業との交渉状況についてはお答えを差し控えたいと思いますが、これまでもワクチンの研究開発、製造、供給については厚生労働省において、様々な企業から相談を受け、コミュニケーションを行っていると承知をしております。

――電子マネーで、労働者に賃金を支払う、デジタル給与払いについて厚労省が来年にも導入をはじめる方針を固めたと報道があります。

この事実関係について確認させて頂きたい。

事実だとすれば、どのような流れで実現していくお考えか。

○松野官房長官
資金移動業者の口座への賃金支払いについては、これまで厚生労働省の審議会において、賃金の確実な支払いを担保するため、資金移動業者の要件などの具体的な制度案に関し、議論を重ねてきたところであります。

これまでの審議会の議論を踏まえ、今後、厚生労働省において、パブリックコメントを行った上で、審議会に対し、省令の改正案を諮問する予定と聞いております。

なお、施行時期につきましては、現時点で確定しておらず、今後検討されるものと承知をしています。