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【解説】防衛省…なぜ不祥事相次ぐ? 大量218人処分

2024年7月12日 19:17
【解説】防衛省…なぜ不祥事相次ぐ? 大量218人処分

防衛省は、特定秘密の不適切な取り扱いなどの一連の問題について、調査結果を明らかにし、隊員218人を処分しました。木原防衛相は、給与1か月分の自主返納を表明した上で、自らのリーダーシップで「防衛省・自衛隊を早急に立て直す」としました。政治部の防衛省担当、細川恵里記者が解説します。

防衛省は12日、4つの問題について処分を発表しました。

まず、安全保障上の特定秘密を不適切に取り扱ったとして113人が処分されました。

そして、不正に潜水手当を受給した問題では、懲戒免職11人を含む海上自衛隊の隊員74人が処分されました。確認された不正の額は約4300万円にのぼります。

パワハラでは、「背広組」と呼ばれる政策立案などを行う内部部局の幹部3人が処分されました。内部部局でのハラスメントによる懲戒処分は初めてです。

さらに海上自衛隊の隊員が基地の食堂で費用を払わず、不正飲食を繰り返していた問題では、22人が処分されました。

これらの問題を受け、酒井海上幕僚長ら幹部6人を含む、あわせて218人が処分されました。

■防衛省関係者の受け止めは?

森圭介キャスター
「今回の処分について、防衛省の関係者はどのように受け止めているのでしょうか?」

政治部防衛省担当 細川恵里記者
「ある自衛隊幹部は、『ひとつ一つが非常に大きい事案。処分人数のインパクトだけで終わらせず、丁寧な再発防止が必要だ』と、あせりをにじませていました」

「一方で、別の職員からは『組織についての自浄作用が働いた。自分で調査してうみを出すことはできた』と評価する声も聞かれました」

■ナゼいま? 異例の218人処分

森キャスター
「200人規模という大きな規模で一斉に行われたのは、なぜだったのですか?」

政治部防衛省担当 細川恵里記者
「今回の処分については、ある防衛省幹部は『一気に出して処分して、人事も刷新することで、信頼を回復する狙いがあったのではないか』と話しています」

「発表時期については『国会での追及は避けたい。本当は、国会が閉会してすぐに出したかったが、調査などが間に合わなかったようだ』と話していました。ただ『もっと早く出せる処分もあったのに、在庫一掃セールのようだ。海上幕僚長に責任を負わせたと見られても仕方ない』と話す自衛隊幹部もいました」

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■不祥事、ナゼ相次いだ?