日米首脳会談“同盟の重要性”を強調
アメリカを訪問している菅首相は、バイデン大統領と対面では初めてとなる首脳会談を行いました。
日米両首脳はそろって共同会見に臨んでいます。通訳のみを交えた1対1の会談から拡大会合の終了まで約2時間半でしたが、カメラが入った拡大会合の冒頭、両首脳は、日米同盟の重要性を強調しました。
バイデン大統領「私たちはインド太平洋における重要な2つの民主主義国家であり、私たちの協力は、私たちの国が直面している課題に対処し、自由で開かれた豊かな地域の未来を確保するために不可欠だと考えています」
菅首相「日米同盟の強固な絆をあらためて確認したいと考えています。また、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた日米の協力や地域における様々な課題、新型コロナ、気候変動などの国際社会共通の課題に対応すべく、じっくり議論を行い、日米の連携をあらためて確認したいと思います」
会談では、台頭する中国に対し、日米で連携して対処する方針や、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を確認したものとみられます。バイデン政権は、中国が台湾周辺で軍事活動を活発化していることに強い懸念を示していて、このあと発表される予定の共同文書には「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記される見通しです。
首脳会談の共同文書に台湾が明記されるのは1969年以来で、1972年の日中国交正常化以降では初めてです。また、香港や新疆ウイグル自治区の人権問題についても深刻な懸念を表明するものとみられます。
中国の反発は必至で、政府関係者が「経済的な報復も考えられる。日系企業が多く進出しているので、どういう影響が出るのか」と懸念を示すなど、日本政府内には、中国が報復措置に出るのは確実との見方が広がっています。
また、首脳会談では、気候変動問題や新型コロナウイルス対策のほか、半導体など重要品目のサプライチェーン構築、北朝鮮やミャンマー情勢についても日米の連携を確認したものとみられます。