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“普通はない”コロナ禍の五輪 「提言」へ

2021年6月3日 22:01
“普通はない”コロナ禍の五輪 「提言」へ

東京オリンピック開催まで50日。政府は、感染対策を徹底し安心で安全な大会をめざすと繰り返し強調しています。一方、開催による影響を懸念する専門家からは、リスクなどについて提言しようという動きもでています。


◆尾身会長、前日に続き“今の感染状況での開催、普通はない”

東京オリンピックまで50日。3日、開催について国会では──

政府分科会・尾身茂会長「本来、こういうパンデミックのところにやるということが普通でない。それをやろうとしてる訳で」

前日に続き、今の感染状況での開催は「普通はない」と述べた尾身会長。

尾身茂会長「五輪を開催することを決定した場合にはですね、これの感染のリスク、あるいは医療逼迫(ひっぱく)への影響について評価をするのは、我々のプロフェッショナルとしての責任だと思っております。政府に言ってもIOCに届かないと意味がないということで、どこに我々の考えを述べたらいいのかというのはいま検討してるところですから」

開催のリスクや感染対策について、近く提言を出す考えを示しました。


◆“提言責任ある”との声も…政府は尾身会長らの動きに否定的

開催をめぐっては、2日に開かれた専門家会議(厚労省アドバイザリーボード)でも、リスクや対策を提言する責任があるとの声が相次ぎました。その提言について、会議に出席した専門家は……

──ステージ4だったらやれないという選択肢を示すかも。議論になるだろう。(専門家)

──パブリックビューイングは止めないとダメだ。(専門家)

ただ、政府は、別にあるオリンピックのコロナ対策調整会議で専門家の意見を聞いているとして、尾身会長らの動きには否定的です。

──専門家に(リスク提言を)諮問はしない。(政府高官)

尾身会長らが示した危機感について、菅首相は……

菅首相「感染対策をしっかりと講じて、安全安心の大会にしたいと思います。そうしたこと(専門家の懸念)については、しっかりと対応していきたい」


◆経済界からは「数値目標が必要」

こうした中、経済界からは、「開催には数値目標が必要だ」と指摘した上で──

経済同友会・櫻田謙悟代表幹事「(感染の)指標がよくならない。(ワクチン1日)100万回も実施できないということであれば、残念ながらあきらめるしかないというのは合理的な判断だろうと。国民の祭典、世界の祭典では説明がつかなくなるなと」

今、オリンピックを開催することについて、与党内からは──

公明党・北側副代表「ぜひ政府におかれては、特に菅総理におかれては、五輪の意義について、国民の皆様にもう一度あらためて、なぜ五輪を開催するのかという説明を、ぜひしっかりやっていただきたいと」