女性・女系天皇は…“皇位継承”最後の聴取
安定的な皇位継承について議論する政府の有識者会議が、5回目となるヒアリングを行いました。今回で最後となるヒアリングでは、小説家など4人から意見を聞きました。
ヒアリングで、小説家の綿矢りさ氏は、女性天皇について「国民の考えが時代により変わっていく中で、誕生を歓迎する風潮もあると思う」との認識を示しました。一方で、女系天皇については、「伝統を重んじる観点から慎重に取り扱う必要がある」と主張しました。
また、気象予報士の半井小絵氏は、「女性皇族が皇族の身分を離れる現行制度は、婚姻関係にある一般男子との皇位継承争いを引き起こさないためにも意義がある」と指摘しました。その上で「女性天皇は前例もあり、一代限り、男系男子優先の形で認める」とする一方、「女系に拡大することは日本を混乱させる原因となり許容できない」と主張しました。
漫画家の里中満智子氏は、「過去、男系による皇位継承を守り続けてきた重みがある」との認識を示しました。また「歴史上、女性天皇は認められており、男系女子に皇位継承資格があって当然」とする一方、「婚姻後には、先に夫や子供の立場について多くの国民の理解を得られなければ決められない」としています。
國學院大學教授の松本久史氏は、「歴史的経緯に基づく現行の規定を容易に変更することは慎むべき」とした上で、「女性天皇・女系天皇への皇位継承資格の拡大はすべきでない」と主張しました。
5回にわたって行われたヒアリングは今回が最後となります。次回は来週16日に開かれ、これまでに行われたヒアリングの内容を整理し議論を行うことにしています。