支持率最低…菅総理“戦略”見直し迫られる
NNNと読売新聞が行った世論調査で、菅内閣の支持率が政権発足以来、最低となりました。菅総理大臣の政権運営は苦しくなっています。柳沢高志記者が解説。
自民党内からは、「オリンピックが支持率の上昇につながらなかった」と落胆の声が聞かれました。自民党総裁の任期が来月末に迫る中、菅総理にとって誤算続きになっています。
菅総理の戦略は、オリンピック・パラリンピックで世論が盛り上がるのを追い風に、総裁選挙が行われる前の9月上旬に衆議院の解散に踏み切り、衆院選で勝利する。そして、その勢いをかって、総裁選では無投票で再選される、というものでした。
しかし、オリンピックは支持率上昇につながらず、新型コロナの感染拡大にも歯止めがかかりません。官邸関係者は「このままでは9月解散はできないのでは」と危機感をあらわにしました。
さらに、広島の平和記念式典で原稿の一部を読み飛ばし、長崎の式典には1分遅刻するなど、ミスも相次ぎました。ある自民党の中堅議員からは「菅総理のもとでは選挙は勝てないという印象が根付いてきた」と厳しい声があがっています。
また、自民党の若手議員を中心に、9月に総裁選挙を行った上で、衆院選に臨むべきとの意見も出始めています。
菅総理は戦略の練り直しを迫られていますが、取れる選択肢は少なくなってきています。