構図一変の総裁選、岸田氏は戦略見直しも…
自民党の総裁選挙をめぐり、各陣営が支持固めに向けた動きを活発化させています。こうした中、早々と立候補を表明した岸田前政調会長。選挙戦の構図が一変したことで戦略の練り直しもせまられています。
■10年間、国民の声書き留めた“岸田ノート”
自民党総裁選挙への立候補を表明している岸田前政調会長。次の総理大臣をめざしていち早く声をあげ、先月26日の立候補会見では、この10年間、国民の声を書き留めてきたというノートの一部を取り出し、こう訴えました。
岸田前政調会長(立候補会見、先月26日)「声が政治に届かないという切実な国民の声が現実にある以上」
国民の声が届いていないと公然と菅政権を批判した岸田氏。5日、自宅で話を聞きました。
──ご自宅ですね
岸田氏「はい」
──お忙しいと思いますけど、あまり帰れてないんじゃないですか?
岸田氏「いやいや、まあ、いろいろ家に帰っています」
岸田氏は、普段は地元・広島を妻に任せて、息子2人と生活しています。
──話題の岸田ノートですけれども、今日は秘密を教えていただければなと思ってきたんですが、お持ちですか?
岸田氏「持っています、大体ポケットか、かばんの中には入れています」
常に持ち歩いているという“岸田ノート”。
──これ中を見せていただくことはできないんでしょうか?
岸田氏「これね、いろんなことが書いてあるんです。なんでも書いてあるから、いろんな悪口も書いてあるから、いきなり開けたらどこが出てくるかわからない。ちょっと見せるのはご容赦いただきたいと思います」
──1ページだけでも難しいものですか?
岸田氏「はい」
書き留めてきたという国民の声を基に、菅総理との違いをアピールする戦略だった岸田氏。ところが……
菅首相(3日)「自民党総裁選挙には出馬をしない」
菅総理は立候補を断念。すると総裁選の構図が一変し、岸田氏は戦略の見直しを迫られました。
■リモート対話、YouTube…積極的に発信
4日には沖縄の自民党員らとリモートで対話、5日にはYouTubeでライブ配信を行うなど、岸田氏は国民や党員に向けて積極的に発信するとしています。
ライブ配信ではこんな質問も。
村井英樹議員「財務省の犬、財務省の『ポチ』と言われていますがご存じですかと」
岸田氏「ご指摘は謙虚に受けとめますが、正直言ってなんでだろうかなと。去年は前半だけで100兆円どんと出す経済対策を組んだ。もう財務省からたいへん厳しい目で見られた」
前政調会長としての実績をアピール。さらに……
村井英樹議員「バナナはおやつに含まれますか?」
岸田氏「はあ…バナナはおやつに含まれるか。含まれません!バナナというのは昭和30年代中頃までは輸入規制がかかっていた。よってですね」
柔らかい質問にも2分近くにわたりデータを交え回答しました。
村井英樹議員「すごいまじめな方なんで、なんでも答えていただけるということで」
■コロナ対策どうする?一皮むけた?
また、6日、日本テレビの番組『スッキリ』に出演した際には、新型コロナウイルス対策について……
──あとどれくらい我慢しなければいけないんですか
岸田氏「年明けできるだけ早い時期を目指してワクチン接種と治療薬の開発を進めていく」
年明けの早い時期に実現を目指す考えを示しました。
去年の総裁選挙で敗北し、二度目の挑戦となる岸田氏。
──岸田さん一皮むけたと自分で思っていますか
「岸田は終わったと厳しい批判も頂いてきましたが、あれから1年、いろんな皆さんの声を聞いてきました。また色んな経験もいたしました。それが少し私を変えたのかなと想像はしています」